とにかく、泣きたかった。
我慢していた涙を外に出したかった。
溜まった感情を、いったん涙として流せば、
少しは落ち着くかも。
そう思って、トイレへ駆け込んだ。

驚き、戸惑い、恐怖、
親や夫を悲しませることへの申し訳なさ、
長女への影響…
元気な体で産んであげられない懺悔の気持ち。
せっかく帰った地元で産めないかもしれない。
この先、どうなるのか…

よく分からない感情が一気に溢れ出し、
泣いても泣いても涙が止まらず、
少しも落ち着かない…

私の周りは、妊娠ラッシュだった。
高齢出産と呼ばれる年齢に差し掛かっているのに、
年齢の近い友人が数人、初めての出産を控えていた。
お互い励ましあって、
地元の友達とは、今回の里帰りで会えることを楽しみにしていた。
ただ、長女のお産でトラブルがあり、出産の大変さを痛感していた私は、
今回高齢出産に近いこともあり、
もちろんみんなが安産であればと祈るけど、
そうもいかないんじゃないかと、
心のどこかで思っていた。

それが、私に当たってしまった…
やっぱり…

そんなことも思った。

涙は止まらないが、止めないといけない。
何とか気持ちを立て直し、
まずは、帰宅予定時間を大幅に過ぎてしまい、
心配して待っている親に連絡した。