22年前に出演した舞台「ミスサイゴン」でお世話になった市村正親さんが胃がんで舞台を休演するとの事。

市村さんは22年前「ミスサイゴン」初演当時、劇団四季を退団した後の初仕事でこのミスサイゴンを選んだ!
舞台で演じるという仕事に、一切の妥協は無い。

指先一本一本まで神経を尖らせながら演じています。
その姿は華麗で優雅で鬼気迫るものを感じていました。
その反面、性格はお茶目で楽しい人です。
こんな俳優さんになりたいなぁと当時共演しながら感じてました。
ご家族も心配でしょうね。

胃がんは早期の発見だということですが、無事に治療を終えて元気に舞台に戻ってきて欲しいものです。

22年前の初演で本来ならばダブルキャストでエンジニアという役を演じ分ける筈だったが、一人で演じることになった。
週6日で毎日2回12回公演を一人で演じる。
身体が丈夫な市村さんも一ヶ月過ぎてくると、声は出なくて壁に張り付き、身体を引きずりながら来ることがあった。
この市村さんを見て、本日の公演は最後まで出来るだろうか?と不安に思いました。
舞台の幕が開き市村さんが登場するもほとんど声が聞こえない!!!
かすれ声で歌も台詞も出ていない、、、。観客もざわめきます。
しかし第1幕終わる頃には普通に声が出るようになっている。
人間の身体は不思議で神秘なものです。
第2幕はいつもの市村正親に戻っている。最後まで歌い踊りきりました。
カーテンコールが終わり、舞台の袖に戻って来た市村さんは立っていられない状態でした。
スタッフに抱えられて楽屋へ、そして自宅へと戻って行きました。
翌日のお休みの後、次の公演からは笹野高史さん演じる2人目のエンジニアが登場しました。
この市村さんの姿は目に焼き付いて忘れられません。
また共演したいですので、元気に戻って来てください。

市村さんの「アメリカンドリーム」をもう一度舞台で聞きたいですね。
お待ちしております。
watari