複数生き物を飼っていると、彼らには大抵縄張りと年功序列制度があることがわかる。
我が家の犬の牛太郎は、最年少で、猫たちの方が先輩格に当たる。
犬は狼の昔から集団生活をしていたので、特に年功序列に忠実である。主人である私は別格として、猫たちにすらそれを守る。
で、写真は知らない人なら一見、猫と犬がじゃれ合っている微笑ましい写真に見えるが、実は猫が犬にヤキを入れているのである。 よく見れば猫があんぐり噛み付いていて、犬がしょぼんとした表情をしているのがわかる。肉食動物は自分の優位を示すため、よく相手の首筋に噛み付くのだ。ほんとは馬乗りになって噛むのだが、犬がでかいので、こんな構図になる。
最年長の猫が、なにか腹に据えたことがあったらしく、自分より4倍もでかい犬を壁際に追いつめ、首筋に噛み付いているのだ。
犬は泣きそうな顏で、猫にされるがまま耐えている。
元来が気の弱い犬で、年功序列も歳がいくと、逆転現象もありなのだが、ぜんぜんそういう下克上しようという気持ちがないのだ。
そういうとき、私は図に乗っている猫にいらっとして、「牛太郎、お前が一声ワンと吠えれば、猫なんてふっとぶのに、やっちゃえよ」と、けしかけるのだが、お人好し?の牛太郎は、やっぱり情けなさそうな顏で私を見るばかりなのだ。