ホワイトデー | 渡辺やよいの楽園

渡辺やよいの楽園

小説家であり漫画家の渡辺やよい。
小説とエッセイを書き、レディコミを描き、母であり、妻であり、社長でもある大忙しの著者の日常を描いた身辺雑記をお楽しみください。

 我が家の子どもたちは、ちょっとシニカルに構えるたちで、特に世間のイベントごとに乗らない所がある。ディズニーランドには我が家の子どもたちは敵意すら持っているという有様だ。
 娘もクリスマス、ハロウィン、バレンタインなど、女子がキャッキャ言いそうなイベントにわりと冷ややかだ。ちょうど今月9でやっているドラマ「デート」のヒロインみたいに、「合理的でない」ことには乗りたくないという。
 先日のバレンタインも、「友チョコとかやらないの?」と、水を向けたのだが、「いいよー、そういうの、めんどくさいし」と、スルー。しかし、学校のお友だちからは、いろいろ友チョコを頂いて帰ってきた。
「もらってばかりじゃ悪いから、ホワイトデーにはお返ししようよ」と、私が言うと、さすがに申し訳なくおもったのか「そうだね」と、同意。
 ということで、昨夜はホワイトデーのお返しに、娘がクッキーを焼いた。というか、二人で作ったという感じだが。
 すべての材料を作り上げ、さて麺棒で生地を伸ばす段になって、引っ越し以来の荷物の片付けのしなさすぎで、麺棒が行方不明。慌てて、仕方なくサランラップの芯で伸ばすはめになった。
 が、味は上々に上手く出来た。美味しくできたせいか、娘、嬉しそうにラッピングしている。これで乙女心が目覚めないかぁ。
 お友達が喜んでくれるといいな。 

 かたや、母の私はめっぽうミーハーである。
 世間の風に乗るたちで、なんでも参加したいほうだ。そりゃ私も高校生くらいの時には、こういうイベントに騒ぐ世間を「愚民ども」みたいに見下ろしていた時もあるんだが、人生酸いも甘いも相当に噛み分けた今になれば、そんな自分も愚かしく思える。
 いややっぱ、楽しみは多い方がいいじゃないかな。