さよならRAV4 | 渡辺やよいの楽園

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小説家であり漫画家の渡辺やよい。
小説とエッセイを書き、レディコミを描き、母であり、妻であり、社長でもある大忙しの著者の日常を描いた身辺雑記をお楽しみください。

昨日、車を換えた。

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 今までの車は、長男が生まれた時に購入したTOYOTAのRAV4だ。
 RV車で、馬力が強く、幼い子どもたちを乗せて、しばしば遠くに旅行にでかけたものだ。
 しかし、その長男も今や中学2年生。
 14年乗り続けて、RAV4も中古になり、子どもも成長して、家族で車での旅行も無くなった。今年の車検にかなりの出費が予想され、不景気もあいまって、いっそもう車は持たないようにしようかと思った。
 なにせ家族で運転できるのは私だけだし。
 ただ、都内を現役で運転出来るのはなかなか役に立つ。
 今後、高齢の母がいる事など考えると、ペーパードライバーでいるよりは、いざと言う時ぱっと車がだせる状態でいる方が望ましい。
 それで長年の付き合いのTOYOTAの営業の人と相談した。
 営業はもちろん新車を買って欲しいに決まっているが、こちらの経済事情も苦しい。車は持っているだけで金を食う。乗らないで車庫に置いておくだけでも車税も車検もかかる。購入をためらう私に、TOYOTAの営業の人が持ち出したのは、リースである。毎月定額払えば、車検も車税も修理代もすべてコミである。3年リースするくらいなら、車を購入するよりずっと安上がりだ。だいたい車は、購入すればいらないからと捨てるわけにもいかないので、廃棄するにも金がかかる。
 いろいろ考えたが、コンパクトカーを3年リースすることにした。
 営業にすすめられて、パッソにした。
 
 そして、昨日、新車が納入されて、RAV4とはお別れになった。 
 幸いRAV4は人気の高い車で、いくらかの金額で買い取ってもらえ、中古車として第2の人生を歩めることになった。
 「長いことありがとうね」
 娘と二人で、引きとられていくRAV4を見送る。
 子どもたちと同じ年月をうちで暮らした車だ。
 お前のおかげで、運転ヘタな私が、都内どこでも走れるようになり、書庫入れも楽々できるようになった。お前がいなかったら、私は完全にペーパードライバーだったろう。お前のおかげでいろんな所に行けたよ。少し、泣けた。

 さて、新しく来たパッソの、いかにもかわいらしいことよ。
 今までRAV4がどーんと収まっていた車庫に、ちんまり入っている。
 さて、乗り心地はというと。
 RAV4は、サイドにハンドブレーキやシフトレバーがあったのだ、パッソはハンドルの横にそれがついていて、前列はフラットシートで非常にすっきりしている。コンパクトカーだが、中は広々した感じでRAV4からの乗り換えに違和感はない。
 しかし、運転には大いに違和感がある。
 RAV4のハンドルは非常に重かった。それで、ハンドルを切る時、私は力をこめてまわす癖があるのだが、パッソのハンドルは羽のように軽いのだ。最初、カーブを切るときなど、あまりに軽いのでハンドルがはずれたのかと思ったくらいだ。それと、そういう仕様なのかエンジンブレーキが強くて、アクセルから足を離したとたん、みるみる減速してしまうので、気をつけないと加速に時間がかかってしまう。
 でもまあ、小回りはばつぐんに良く、今まででかいRAV4を運転した私には、いささか物足りない車だが普段使いには不満は無い。
 そのうち運転にも慣れるだろう。
 RAV4が質実堅固な中年男だとすると、パッソは気遣いができる育ちの良い女性という感じだ。
 これからよろしくお嬢さん。
 

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