文藝別冊 萩尾望都、みんなで暮らそう!ひつじ村 | 渡辺やよいの楽園

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小説家であり漫画家の渡辺やよい。
小説とエッセイを書き、レディコミを描き、母であり、妻であり、社長でもある大忙しの著者の日常を描いた身辺雑記をお楽しみください。

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  エドガーとアランの美しい表紙の文藝別冊 萩尾望都。
 本人や家族マネジャーのインタビューなどが豊富で充実している。
 特に本人が語る親との葛藤と、親が語る萩尾望都。
 ずっと「いつまで漫画家なんかやっているんだ、有名になって金もできたんだらやめなさい」と、言われ続けたと言う萩尾。あの天才萩尾に漫画家をやめろと言えるんだから、親ってすごい。
 親になぜ人生のたいていのことは捨てても漫画を描きたいかをついに理解させる事ができず、諦めた、という萩尾。
 そして、娘がこれほど偉大な漫画家だったのに、
「向こうからなにか言われてもこっちは聞き流すだけです」と、父。
「漫画も大事でしょうけど、最後には劇作家にでもなってほしい」と、母。

 うーん、そういうものなのか。。。

 以前北原みのりさんが私のインタビュー記事を書いてくれたとき、親のインタビューもしてくれたんだが、自分の苦労話を饒舌に語った親は
「やよいさんの漫画を読んだ事がありますか?」という問いに
「読みませんよ、あんなもの」と、私の面前で言い放った事を思い出す、悪びれるところなく。萩尾先生は別格だが、私はエロ漫画が大半だしなぁ。。。。

 一番身近な人には理解してもらない。人生っていじわるだ、とうらめしいが、あの萩尾先生でさえそうなんだ、と思うと、まあ私程度のモノカキでは親の理解の範疇ではないな、と、あきらめがつくものだ。
 他人だったら切り捨てられるものが、身内だけに始末が悪いけれど、だからこそ、私はモノカキになったんだなれたんだ、と思う。
 死んで欲しいと願うくらいの憎悪と、分かって欲しいと言う狂おしいまでの憧憬とが手をつないで自分の中にある不思議。

 
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 みんなで暮らそう!ひつじ村。 
 メインクエがなくてちょっと停滞気味。
 なにしろオリーブの種を手に入れるのにヤギの乳のチーズ100個である。萎えるなぁ。。。