続いて「農業の未来について」。


では食糧自給率をあげていくため、日本の農業の未来に必要なものはなにか…
答えは農業の産業化であり、その担い手としての“強い農家”である。


産業として育てるためには、欧米諸国同様、国が応援することになる。
生産効率をあげるため、集中した資本投下がなされるだろう。
その受け皿は、大規模農家つまり“強い農家”だ。
ほそぼそとした投資では、生産コストはいつまでたっても下げられないからだ。


①でも述べたように、日本には必ずこの産業としての農業が必要になる。


ワタミが2002年に農業に参入したのは、この未来を見据え、
産業の担い手になるべく、“いざ”に備えるためだ。
それまでは土を作ることに専念、先行投資として利益は求めないが、
“15年後農業はワタミの事業の大きな柱になる”と確信している。


今回の皆さんのコメントでも、多くの人が農業をやることには肯定的だが、
職業としてやるとなると収入面での不安から否定感が強かった。
産業化により所得が保障されれば、農業人口の回復も見込めるだろう。



■shihiro3039さん
「農業」は「食」そのものだと社会はきづきはじめた。
私自身が職業としてやるという選択肢はないが、
信頼できる他社に対価を払ってお願いしたい。
対価を払うからには安心安全を見守ります。


[渡邉美樹]
shihiro3039さんは保育園を経営されているとのことですが、
ワタミでは保育園、学校、病院などでの給食事業も取り組みはじめました。
生産から消費までの全工程において“安全・安心”な商品をお届けする…
これが社会のスタンダードになればいいと思っています。



■白井憲太郎さん
農業は単に食糧を確保するという労働だけではなく、
国の文化、人類が健康で豊かに繁栄する上での基盤だと思います。


[渡邉美樹]
そうですね。
食は文化と深くかかわり、環境ともつながっている…
まさしく基盤なのだと思います。
単純に効率を求めるのであれば、工業化という議論も出てくるでしょう。
しかし効率のみでは人は幸せにいきつけない。
国民が幸せであるために、日本には農業が必要だと考えています。



■笑顔大吉さん
養豚をやっています。飼料価格、肉相場により採算がわれることもありますが、
糞尿処理など環境対策にお金がかかりすぎているのは問題だと思っています。
現在は水に戻すことになっていますが、肥料として土壌還元できるシステムを作るべき。
行政には農家と畜産をつなぐために税金を使ってもらいたいです。


[渡邉美樹]
国は、国民が良い商品を適正な価格で買えるよう、
最終的な生産コストをさげるために、大規模な農家へ投資する…
この視点で、国はインフラ整備も含めた予算を組み、
積極的に関与するべきだと思います。



■plug2110 2009さん
実家の農業は作付面積が狭いため採算があわず兼業農家です。
私は農業をやりたいのですが、
田舎には職がないため東京でサラリーマンをやっています。
有機野菜として付加価値をつけて売るためには
消費者とのコミュニケーションが必要だと思います。


[渡邉美樹]
私は日本の農業を考えるうえで難しいのが、
兼業農家の問題だと思っています。
国が農業人口の9割を占める兼業農家を守るため、全体の生産性を顧みない。
しかし、これからは農業は産業として、
生産効率の良い担い手に経営資源を集中し、
しっかり育てていかなければなりません。

また、そもそもを考えて、農業はハードな仕事です。
職業としての農業を兼業で成り立たせるのは不可能なのではないでしょうか?

専業農家になるか、
所得補償があったうえで商売としてではなく作りたい分だけ作る農業をやるか…
企業の論理と言われるかもしれませんが、
この厳しい選択を迫られる時がくると思います。



■さら powerd by SIEMENS♪さん
つくり手の思いを伝えること。農業だけに留まらず、
思いを売ることができれば、made in japanは強くなると思います。


[渡邉美樹]
どんな思い、どんなプロセスにより、商品が存在するのか…
商品の物語を伝えるのがブランディングです。
ブランディングにより、商品の付加価値をあげ、販売していくことは、
これからの農業にとって非常に重要だと思います。

ワタミでも、ワタミファームの持つ強い思いをどうやって伝えていくか、
ここが課題だと思っています。



最後に番組内でもお話したが、
農業を考えるうえでは、総論賛成、各論賛成でいこうと
と皆さんに提言したい。


“日本の農業を強化しよう”“食糧自給率をあげていこう”
この総論に、反対する人はいないだろう。
しかし各論となるととたん議論が乱れる。


日本の農業を再建するのは“強い農家”を育てるしかない
という結論は出ているのだ。


そのためには自分が少し損をしても、
全体が正しい方向へ向かうのであれば賛成をする。
みんなが少しだけ我慢をするような農業政策を
承認していかなければいけないのだと思う。


ちょっと高いけど有機野菜を買えば、全体からみてプラスになる…
まずはそんなところから、始めてみるのはいかがだろうか。



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