来年1月3日放送のニッポン放送「渡邉美樹5年後の夢を語ろう‼」の新春スペシャルで、世界三大投資家と称されるジム・ロジャーズ氏と対談した。
2年前に共著『大暴落』を出版したジムさんに、「大暴落はいつ起きてもおかしくないか」と聞くと、「来年は、米国、世界ともに、大きな問題が起こる年になるだろう。米国は史上最悪。日本も債務問題を抱えている。世界全体が大きな打撃を受ける」と、2026年の大暴落を警戒していた。
私も日本の政治や財政政策をみていて、Xデーはそう遠くないと感じている。高市早苗首相は「責任ある積極財政」の考えの下で「戦略的に財政出動を行う」との方針を示している。財政出動が経済成長につながるという考え方だが、ジムさんはこの考えに「長期的には苦痛が大きくなる」と異を唱える。
赤字国債頼みで、大幅減税や物価高対策が次々と決まっていくが、長期金利は上昇し、国債の利払い費は年々増えていく。利払い費の増加にどう対応するのか。そうした苦痛に対しての議論は先送りされている。こうした状況の中でマーケットは日本円や日本国債を信用し続けるのか。ジムさんは、人口が減り続け、債務が増え続けた国は、歴史上例外なく破綻してきたと語る。
高市首相の発言をきっかけに、日本と中国の関係が急速に悪化しているが、ジムさんは日本は、米国と中国の対立に巻き込まれるべきでないと繰り返す。中国と米国が台湾有事で衝突した場合、米国が勝つともかぎらないともいう。ジムさんは、貿易戦争は実際の戦争へとつながってきたとも牽制(けんせい)する。
コロナ禍以降、各国の債務は積み上がりすぎており「次の金融危機は人生最悪のものになる」と、スケールの大きさを強調していた。危機に備え、日本人が資産を守るには、何をすべきかについてジムさんは「相対的に安全な資産はドル、そして資産の一部をスイスなどの海外の国に移しておくべき」ともアドバイスしていた。
戦後の日本のように預金封鎖などが起きた場合に備える必要性もあるということだ。ジムさんは、歴史的な視点から未来を予測しており、多くの点で今回も共感した。詳しくは、1月3日の放送をぜひ聞いてほしい。
年の瀬に近づいてきた、今年のワタミを振り返り、漢字一文字で示すと「起」だ。昨年10月に日本法人を買収したサブウェイは、1000店舗展開に向けて、横浜ベイサイドにモデル店をオープンさせ、スキマバイトの仲介アプリを運営する「タイミー」と業務提携を行うなど、基礎固めの年となった。
社運をかけ秋に全国販売を開始した、「ワタミの宅食」の新商品「好い日の御膳」は累計100万食突破となった。今年、起こしたこれらの取り組みを来年以降の飛躍につなげたい。
居酒屋や焼肉は、「手作り」と「値段を上げない」というこだわりで支持を得られたと思う。今はとにかく、金融危機が起きても、選ばれるお店、商品であることを意識している。ジムさんは次の金融危機は人生最悪のものになると断言する。しっかりと備え、私はその危機を、経営者人生最大の勝負にしたいと思っている。

【産経ニュース】「渡邉美樹経営者目線」(隔週火曜日連載)より
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