翌、六月四日は青空がのぞく好天気となり、八時二十分に宿泊先の天童温泉「滝の湯」を出発、そもそも肩が凝ったりするタイプではないので体調は万全、山形道を酒田に向け約四十分で出羽三山の一つで、本日の第一目的地の「月山湖大噴水」前の茶店に到着。

 

 目の前の月山湖は、三方を深い山で囲まれダムでせき止めれた人造湖で、このダム建設によって百十二世帯が水没、町行政ではここに部落が存在した証として、人口の噴水機を湖上の真ん中に設置し、水没した百十二世帯へ鎮護んの祈りを込め百十二メーターの大噴水を一日に数度行っており、つい数年前までは日本一の噴水高位誇っておったそうです。

 

 しかしながら、観覧者は我々のみで壮大な湖水の大噴水というパノラマが寂しい限りでしたが、ここの茶店で売っている「きくらげの漬物」は秀逸で、またこんな場所なのにトイレがきれいなのには老妻が驚いておりました。

 

 観覧後は山形道に戻りましたが、山が深くなるにつれ天気は曇りから霧雨に変わり、更にくねくね道が続き、月山・湯殿山に関わる標識が右に来たり左に来たりしているうち、道は下り坂となりいつの間にか「酒田市」の郊外入っていた。

 次は、出羽三山の羽黒山神社の国宝「五重塔」と月山・湯殿山・羽黒山の三山のご神体を祭る「出羽三山神社」を目指しました。

 

 私は、羽黒山神社が一番山深い所に鎮座していると予想していたのですが、それに反し酒田市郊外から田園風景の田舎道を山裾に向け一時間、すこし山に入った所に鳥居があり神域に入りました。 そして、参道は登るのではなく谷筋に向けて杉の大木がうっそうと茂る急こう配の階段を下り、その先に朱色の太鼓橋と一条の滝が現れ、天を仰ぐと薄暗い木々の間から差し込む日の光が神秘的でありました。

 

 しかし残念なのは、そこから百メーターほどにある国宝「五重塔」は、何と改修中で周囲をシートで囲われ先端の重厚な伽藍が僅かに国宝を感じるところでした。

「行きはよいよい、帰りはこわい」帰りの階段のキツカッタこと、きつかったこと。

 

 時間は十二時近くとなっており、次の目的地の酒田市内の「本間家旧邸」「本間美術館」へ向かいましたが、何と「休館日」、本間家は「日本一の大地主」と呼ばれ、農業振興や北前船の回船業などで財を成し庄内藩を金蔵としてを支え、「本間様には及びもせぬが、せめてなりたや殿様に」と謳われるほどの権勢を誇りました。

 

 つづいて向かったのは、最上川の河口に位置する米の保管倉庫の「山居倉庫」です。酒田水運の要として本間家などが関わったものと考えますが、現在の倉庫群は明治二十六年に材木と漆喰をふんだんに使った明治レトロを強く感じる見事な景観が保存されており、その一画には土産品の販売コーナーやレストランが併設され観光客が多いと思ったら、前日のNHK「鶴瓶の家族に乾杯」のロケ地として放映されていた影響との事でした。

 

 時間は一時過ぎ、名物の「酒田ラーメン」の美味しい店を、山居倉庫駐車場係のオジサンに聞いたがややこしくて行きつけず、この日は「角館」が宿泊先なので無料の日本海東北自動車道を日本海を左に見ながら北上し「道の駅鳥海」で、全く波穏やかな日本海を見ながらラーメンではなく「山菜そば」を食しました。

 

 その後、更に北上し由利本荘市より内陸に向かい、同じような風景の中をひた走り秋田空港の標識が見え始めると角館はあと少し、しかし今宵の宿泊先の「花葉館」が角館へあと十キロのところに有り、角館市街地と予想していたのでがっくりでしたが、五時少し前に到着しすぐに温泉に入り本日の運転疲れを癒しました。

  

 

  前日の走行距離 342K  本日の走行距離 300K  計642K  次へ続く