中国歴史ロマンの「三国志」は「魏・蜀・呉」三国の血沸き、胸躍る戦いの歴史物語で、劉備・関羽・張飛の蜀の武将とその知恵袋の「諸葛亮孔明」の人間性が生き生きと描かれており私もファンの一人です。

 私は数年前に、その舞台の一つである「劉備最後の地である白帝城」を訪ねました。

重慶より長江をゆるゆる下る船旅で、峡谷の船着き場より九十九折の山道を登りきると

そこは長江や白帝城を囲むような山並みが連なる景観で、そして白帝城での劉備末期の言葉は、諸葛亮孔明に「息子劉禅を頼む」でした。

 それから2000年、清朝崩壊まで戦いの歴史が刻まれ幾多の血が流されただろうか、

そして日本軍の中国侵攻が中国共産党(国民党は、共産党との闘いに敗れ台湾へ)を

育て、アメリカが軍事援助やその後の支援を行いながら、一党独裁の現在の中国共産党の礎を造ったのである。

 その中国共産党が、文化大革命や敵対政治家の粛清などを経て創建100年を迎え、習国家主席は(天安門広場に7万人の人民(マスクなし)の前で、「台湾は中国の一部、ウイグル・香港は内政問題、アメリカには断固戦を挑む」などなど世界各国に向けて中國国家指針を、恫喝と人民には飴玉を織り交ぜながら高々とぶち上げたのである。

 中国14億七千万の人民は約6千万の共産党員で牛耳られており、中国全土の土地は共産党が所有し、人民は昔の小作農如きで「富める人と搾取される人」との格差が近年更に広がり不平不満分子も多いとの事である。

 その中国に、首根っこを押さえられた新興国家は世界で60ヶ国を超えており、習主席が目的とする大中華思想に基づく世界制覇は、やはり「血」が絡む手段を実行するのか、日本では尖閣諸島問題など振り上げた拳の落としどころが心配である。