それは先日、ご主人様をまだ少し早い68才で亡くされた奥様の会葬御礼の言葉でした。
短い言葉でしたが「主人には、よくして頂き感謝をしてます」と悲しみを堪えながら涙声で述べておられました。
私は、時々早朝(朝5時過ぎころ)に近所の水戸藩校弘道館内に鎮座する「弘道館鹿島神社」にお参りをいたしております。
そこで、度々一心にお参りをなされているその奥様の姿を拝見いたしておりました。
冬などは真っ暗で、この神社までは約1Kはある距離なのですが、一体何を真剣に手を合わせお祈りしているのだろうと不思議でした。
まして、昨今は神社などに足を運ぶ人の少ない社会環境となっており、ご信心の厚い奇特な方だなあと思っておりました。
そして、葬式後に知ったのですが、会葬者の話では「ご主人様は10年ぐらい前」に病に倒れその介護にあたられていたそうです。
それで解りました、あの拝殿の前で頭を垂れた後ろ姿は「ご主人様の病の快癒を」祈っていたのを。
ご主人様の母上の手を携えて、会葬者への御礼の言葉が一層胸に染みてまいりました。
このような深い情愛で結ばれた「夫婦愛」に、伝えたい残したい日本人の心を見た思いです。