先日福島地裁が、2011年7月に川俣町の自宅で自殺した避難者遺族の「自殺は避難生活で精神的に追い詰められうつ状態になったため」という主張を認め、東電に対し約4900万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

 

人が住み慣れた場所から強制的に引き離されて住み慣れない場所で過ごすことで、どれだけの精神的負荷がかかるだろうか。自殺に限らず、原発事故避難によって高齢者の多いこの地域の住民の多くの寿命が縮められたことは間違いない。

 

仕事上毎日避難者にしているから尚更痛感させられる。この3年半、「え!どうしてあんなに元気だった人が?」「原発事故が無ければもっと生きられたはずなのに!」と何度思ったことか。その生活状況、精神状態は私も当事者であるが故に痛いほど解る。

 

私達司法書士の業界の先輩を見てもそれは顕著だ。今日相双地区の先輩司法書士の訃報を聞いた。事故後すでに3人の先輩司法書士を亡くした。事故によって避難を余儀なくされ、未だ自分の事務所に戻れていない相双支部の司法書士は10名。そのうち既に3名がこの3年半で亡くなっている。異常だと思う。きっと、いや絶対こんな避難生活などなければまだまだ元気で仕事をされていただろう。そう思うと悔しすぎる。先輩の分まで頑張ろうと思う。最後まで原発事故被災地、原発事故被害者に寄り添って仕事しようと思う。