富岡町の隣の楢葉町では今春にも帰還する時期を判断するとされている。現在楢葉町はほぼ全域が避難指示解除準備区域となっている。今年1月に行われた楢葉町のアンケートの結果は、「すぐに戻る」8%、「条件が整えば戻る」32.2%、「今は未だ判断できない」34.7%、「町には戻らない」24.2%、「無回答」0.9%と続く。
http://www.minpo.jp/news/detail/2014030114219
「条件が整えば戻る」の条件って何だろうか? それが「原発事故前と全く同じになったら」だったらそれは不能条件になる。「除染の完了」だったら、地域のほとんどが山林なので全部除染することは不可能だし、「放射線量の低下」だったら、セシウム137の半減期30.2年の経過を待つしかないのかな~なんて考えたりする。「学校や病院等の社会基盤の整備」だとしても、未だ災害公営住宅さえいつできるのかはっきりしないことを考えるとまだまだまだまだ先の気がする。「中間貯蔵施設を建設しない事」を条件として考えるにしても同じくはっきりせず未だ分からない。「原発の廃炉、安全性」だったら少なくとも廃炉に40年以上それも延びるんだろうし未知の世界だよね。それらを考えていくと「条件が整えば戻る」と「今は未だ判断できない」とは限りなく近いんじゃないかと思う。そしてその条件の成就や判断の時期が何十年も先になるなら、それはまた限りなく「町には戻らない」に近くなるんだろう。そう考えると楢葉町でさえ近い将来はほとんどの人が戻らないんだろう。それよりも福島第一原発から遠い川内村や広野町の今の住民の帰還状況を見てると想像が付く。富岡町ましていわんや。
住民の心情は複雑でアンケートでは計れない。
だけどまだ「条件が整えば戻る」「今は未だ判断できない」という人達が圧倒的多数なわけで、そういうグレーゾーンにいる人達を「そのままの状態でいてもいいんだよ」っていう環境というか制度作りをしないと、後は「町には戻らない」が増えていくだけで、将来双葉郡はただの核のゴミ捨て場になってしまうよ。それではあまりにも悲しいでしょ。
そして一方でグレーゾーンにいる人達に希望の光が見えるような地道な根気強い復興も必要だと思う。押しつけの復興じゃなくさ、地元の人達の主体的な復興がさ。
そして俺やっぱり住める住めないを考えるとき広島を思っちゃうんだよね~原爆投下から68年後の今、広島がこんな大都市になるなんて当時誰が想像した?って。1万年人間が住めない、草木も生えないって言われてたじゃないかって。だから双葉郡を諦めちゃいけないってさ。うん、諦めちゃいけないよ。