こんにちは。
渡辺俊幸事務所web担当です。

先日、今月の15日(土)、16日(日)に
洗足学園音楽大学と洗足こども短期大学で開催される
「GAKUENSAI!2014」のお知らせをさせて頂きましたが
今日はその中から洗足学園音楽大学のミュージカルコース、
現代邦楽研究所とのコラボレーションから生まれた
邦楽ミュージカル「夏花火恋名残」についてご紹介します。




この作品は永井荷風の「すみだ川」をベースに
劇団「柿喰う客」代表の中屋敷法仁さんが脚本を書き下ろした
オリジナル作品だそうです。
スタッフやキャストのほとんどを洗足学園音楽大学の学生、
卒業生、講師陣が固めています。


永井荷風はいわゆる耽美派を代表する昭和の作家の1人で
「あめりか物語」などの代表作品があります。
明治後期に慶大教授を務めていた頃に
文芸雑誌「三田文学」の発刊に携わり編集主幹を務めますが
三田文学はその後森鴎外や谷崎潤一郎、芥川龍之介らが
続々と作品を発表する場となり、
文壇の発展に大きな役割を果たします。

「すみだ川」という作品は1911年(明治44年)に発表された作品で、
「長吉」という中学生の、芸妓になった幼馴染の「お糸」に対する
恋心を中心に描かれていきます。
中学生といっても旧制中学なので長吉は18歳、
お糸は16歳という設定です。

内容をかいつまんでご紹介すると、
長吉はお糸のことが好きなのですが
お糸にとって長吉はあくまでも
「友達以上恋人未満」的な仲の良い幼馴染に過ぎず、
長吉は悶絶する、という今でもありがちなものです。

今回はこれがそのまま舞台になるわけではなく、
あくまでもこれをベースに中屋敷法仁氏が脚本を書き下ろす、
ということになっています。
公演のチラシの「作品紹介」を見る限りでは
かなり違ったものになっているように見受けられました。


中屋敷法仁氏はまだ30歳で新進気鋭の演出家であり脚本家です。
青山学院大学在学中に劇団「柿喰う客」を旗揚げしていますが
その後演劇を学ぶために桜美林大学へ入学し、
戯曲家の平田オリザ氏の薫陶を受けます。
今でも「柿喰う客」の全作品の脚本、構成、演出を手掛けるなど
活躍をされています。


「邦楽ミュージカル」というのは
洗足学園音楽大学ミュージカルコースと現代邦楽研究所が生み出した
全く新しいタイプのミュージカルなのですが
過去に「恋娘近松合戦!」という作品を発表しています。
こちらの作品の初演は2011年でしたが、大好評で翌年、
そのまた翌年と3年連続で公演が打たれました。

邦楽ミュージカル作品第2弾の「夏花火恋名残」も前作に続いて
さらにパワーアップした作品となっているのではないでしょうか。


本作品の公演は15日(土)は18時開演、16日(日)は14時開演で
上演場所は洗足学園前田ホールとなっております。
なお開場は両日とも開演30分前です。

入場無料の全席自由、予約は一切不要です。

ただし未就学児の入場はご遠慮頂いておりますのでご注意下さい。


以上、邦楽ミュージカル「夏花火恋名残」のご紹介でした。