昨晩は、池袋芸術劇場小ホールで
中島淳一さんの独り芝居を観てきました。

20周年・1200回記念の公演で
演目は、「ナザレのイエス」。

脚本・演出・出演を中島さん自身が一人でこなす
文字通りの独り芝居です。

独り芝居ですから
何人もの登場人物を演じ分けながら
一時間ほどずっと台詞をしゃべり続けるわけで、
自分で書いた台詞とはいえ
その記憶力についてだけでも私などは感心してしまいます。

私は、中島さんの芝居「耳なし芳一」のために
オーボエの独奏曲を書いたことがありますが、
どちらかといえば彼の演目は、
シリアスで重いテーマを持った作品が多く、
そのキリスト(あるいは、行者?)のようの風貌で
時にはもの凄い迫力のある声で演じるわけで、
その芝居だけを観た印象としては、なんだか怖そうな人、
近づきにくい人という印象を持つ可能性があるわけです。

ところが、芝居が終わった後すぐに、
もう一度舞台に現れた中島さんは、
お客さんに挨拶をした後どちらかといえば、
漫談といった感じで話を始め、
これがちょっとしたお笑い芸人よりもずっと面白く、
昨晩も、お客さん全員が笑いっぱなしになりました。

この大きなギャップも
彼の大きな魅力のひとつと言えるかもしれません。

役者としても素晴らしい才能を発揮する中島さんですが、
彼の本業は、画家なのです。

この世の次元を超えたような美しい世界を
独特の技法で表現した中島さんの作品は、
観る者の心を浄化する力を持っていると思います。

中島さんは、福岡在住ですが
各地で独り芝居や画家としての個展を開いていますので
機会があれば、是非彼の作品を観ていただきたいと思います。

次回は、6月17日の夜7時30分から
福岡のNTT・天神ホールで昨晩と同じ演目の公演があります。