昨日、金沢の石川県立音楽堂で行われた、大橋純子さんをゲストにお迎えしてのOEKファンタジーシリーズのコンサートを無事に終え、本日帰京しました。

金沢での滞在中は、晴天続きでしたが、東京に比べるとやや肌寒く感じました。

27日はリハーサルがありましたが、県立音楽堂では別の催しが行われていたため、別のホールを借りて行われました。連日同じ曲をそれぞれ違うホールで演奏する事になったわけですが、その結果、県立音楽堂の音響がいかに良いかをさらに実感する事になりました。本当に同じ編成とは思えないほど豊かな響になるのです。クラシカルな編成による演奏においては、ホールも楽器の一部だと言う事をまたまた再認識させられました。

大橋純子さんとは、8年ほど前に、あるコンサートで御一緒したことはありますが、その時は、お互い別々に違う曲を演奏しただけだったので、共演と言う意味では、今回が初めてということになります。

私が、大橋さんの歌を始めて耳にしたのは、もう30年近くも前になると思いますが、とにかく凄くパワフルで日本人離れした声が印象的で感動した事を思い出します。そして今回驚かされたのは、その声が以前と変わらずにパワフルで伸びやかで、まったく衰えを知らないことです。御本人にお聞きしたところ、声は相当強く、風邪もほとんど引かないそうです。

外見的には小柄な方ですが、とても大きなエネルギーを持った方で存在感のある素晴らしい歌唱を聞かせてくださいました。今回残念だったのは、私が大橋さんのために1曲も編曲できなかった事です。これを機会に、次回は私の編曲でやることを約束しあいました。

大橋さんとの共演においては、OEKにプラスしてリズムセクションも入りました。ピアノ、ドラムスだけでなくエレキギター、エレキベースも加わっての演奏だったので音響面でどのようになるか、やや心配でしたが、オケとの演奏になれた方たちだったので、うまくバランスも取れました。
なにしろオーケストラというものは、出来るだけPAを通さずに生の音を直接に聞いていただくのがベストなので、ポップス系の楽器とのバランスをうまく取りながら演奏するのは簡単ではないのです。

「シンプル・ラブ」や「サファリ・ナイト」といった16ビートののりの良いアップテンポの曲もなかなか良い演奏になったと思います。今回再認識させられたのは、OEKのメンバーのリズム感の良さです。クラシカルな楽曲で深みのある演奏が出来ても、ポップス系の曲で正確な16ビートのリズムの演奏となるとまるでだめになるオーケストラが多い中、OEKは、素晴らしくパワフルでのりの良いポップな雰囲気のある演奏を聞かせてくれました。

本当に幅広い感性を持ちながら、ジャンルは違ってもそれぞれの音楽に対してまじめに取り組む姿勢を持った素晴らしい音楽家たちの集まりなのです!



演奏会終了後に、大橋純子さんと共に。


今回のピアニスト、西直樹さんと共に。(西さんと並ぶと私が子供に見えます。)西さんは、ジャズからクラシックにいたるまで幅広いジャンルの音楽を的確に演奏できるテクニックと知識と感性を持った素晴らしいピアニストです。

以前、白鳥英美子さんとのコンサートでご一緒した折には、千住明さんの「砂の器」で素晴らしい演奏を聞かせてくださいましたが、今回は、「愛情物語」でジャズテイストも含んだダイナミックでロマンティックな演奏を聞かせてくださいました。