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本日は、『ニューヨーク・シティ・バレエ 2009』の公演にお招きを受けて行って来ました。
場所は,Bunkamuraオーチャードホール。
5年ぶりの来日という事で、3種類の別々の内容のプログラムが用意されており、3日間続けて行っても楽しめる内容になっています。
本日は,初日でAプロでした。
曲目は、第1部がチャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」、第2部がストラビンスキーの「アゴン」とチャイコフスキーの「パ・ド・ドゥ」、そして第3部がバーンスタインの「ウエスト・サイド・ストーリー組曲」という内容で休憩含めて3時間近くを有する多彩なプログラムでした。
どの演目も素晴らしかったですが、私は中でもストラビンスキーの「アゴン」に深い感動を覚えました。
この曲は,元々、ストラビンスキーがこのバレエ団のために書き下ろした作品で、音楽的にはどちらかと言えば難解な内容ですが、バレエと一緒に観るとこのバレエ団の創立者であり振り付けを当時担当したジョージ・バランシンとストラビンスキーの両者がいかに刺激し合いながら天才的な創造力を発揮してこの作品を作り上げたかが想像出来て、作曲家としてとても大きな刺激を受けました。
プログラムには,次のように書かれていました。
ストラビンスキーとバランシンは、ディアギレフのバレエ・リュスで出会って以来、ストラビンスキーが他界するまで半世紀に渡って固い友情で結ばれていたが、この作品は二人の緊密な共同作業によって完成された。
ロサンゼルスに住んでいたストラビンスキーが1ページ書き上げるとニューヨークのバランシンに送り、バランシンがその1ページ分を振り付ける、というふうに少しずつ積み上げられていったという。
ストラビンスキーは「こんな難解な作品は観客に理解されないだろう」と悲観して、初演にも立ち会わなかったが、初日(1957年12月1日)から観客の大喝采を浴び、急遽追加公演が決定したほどだった。
タイトルの「アゴン」とはギリシャ語で「闘争」の意味だが、全編が極度の緊張感と強烈なエネルギーに満ちている。1957年の作品だが、傑作は永遠に新しい。