最近の皆さんからのコメントを読んでいると、私自身もとても幸せな気持ちになります。私も、みなさんに感謝したい気持ちで一杯です。

さて今日は、NHKホールで行われた矢野顕子さんのコンサートに彼女からのご招待で行って来ました。

以前にも書きましたが、彼女とは青山学院高等部時代の同級生同士で、当時は、一緒にバンドを組んで活動していました。(私は、ドラムを担当。)その当時の彼女は、ジャズピアニストを目指していて、私は、彼女が、いつの日にか第2の秋吉敏子(日本人の女性として初めてニューヨークで成功したジャズ・ミュージシャン)になるのだと思っていました。

しばらくして、彼女は高校2年生の半ばで先にプロになってしまい、バンドは、解散となってしまいました。そしてしばらくの間、彼女がどのような活動しているのかも判らなくなりました。

その後、私もプロ活動をするようになって、さだまさしさんがソロデビューする頃、彼女が突如として「ジャパニーズ・ガール」というアルバムでデビューした時には、本当に驚かされました。そのアルバムの中の彼女は、私が想像していたようなジャズミュージシャンではありませんでしたが、それまで私が耳にした事のない独特の音楽を作り上げていました。

矢野さん独特の歌も私にとっては、あまり耳にしていなかったという事も有って、それだけでも驚きでしたが、最後まで聞いていくと驚きを通り越して、まだ21歳という若さで、世界に他にない矢野さん独自の音楽の世界を作り出してしまった彼女に対して、心から賞賛の拍手を送っていました。色々なことを経験し考えた結果たどり着いた世界なのだということも即座に理解したように思います。

3歳からピアノを始めて以来、今まで一度も弾く事が嫌になった事がないという、ピアノを愛してやまない彼女の弾くピアノは、もう彼女の体の一部になってしまっているという感じでいつ聞いても感動させられます。今日の公演は、ニューヨークから連れてきたアンソニー・ジャクソン(bass)とクリフ・アーモンド(drums)も参加しての演奏でしたが、このメンバーでのトリオ結成以来10年ということですっかり息のあった演奏は、計算されつくしていて、とてもエクサイティングなものでした。

今日は特に、テクニシャンであるクリフ・アーモンドのドラムを生かした斬新な編曲が光っていましたが、コンサートの度に、同じ曲を演奏する際にも常に編曲を変えて、新しいサウンドに挑戦するという姿勢にも毎回感心させられます。

彼女のコンサートへ行くといつも思うことですが、彼女の音楽家としての前向きな姿勢と新しい事に向かっていくエネルギーから大きな刺激を受けると同時に、同級生だった彼女の輝いている姿が心から嬉しく、喜びに満ちた思いになるのです。