先日のブログで『夕凪』について書きましたが、この楽曲についての質問コメントをいただいたので、今だから明かせる事を少しだけお知らせしようと思います。

この楽曲のドラムは、村上秀一(通称ポン太)さんが演奏していますが、実はこの演奏、後でダビングしたものなのです。

始めに録音した時には、私とさださんが期待したエンディングの高揚感(ご指摘の通りイメージとしてのアート・ガーファンクルの『青春の旅路(Traveling Boy)』のエンディングのような)が得られず、方策を考えていた時に、アメリカから帰国したポン太だったら期待に応えてくれるのでは、ということになり、彼にお願いしてドラムスを差し替えることにしたのです。

(ちなみに、ポン太は、私が「赤い鳥」に入るまでの前任者のドラマーでした。)

ダビング当日は、最初に録音したテイクのドラムスのみを抜いた状態で1回聴いてもらって、すぐに録音を開始し、1発OKとなったものが商品となったわけです。
ややドラムスが目立ちすぎの感がするというのも事実ですが、その理由はこれでお分かりいただけたかと思います。

そしてエンディングに聞こえてくるコーラスのトップノートは、山本潤子さんの声です。今となっては時効ですが、当時のレコード会社の契約の関係で、ノンクレジットを条件に参加していただいたので、コーラスのメンバーについては、LPにもCDにも書かれていません。