本日は、クラシックギターリストの大萩康司さんの来年発売のアルバムためのオリジナル楽曲を依頼され、そのための打ち合わせがありました。

クラシックギターならではの色々な奏法を聞かせてもらいながら、彼のギターとの出会いからギターリストとして今思う事など様々な話も聞かせてもらいました。

完全なギター独奏のための楽曲を作曲するのは、私にとって実は初挑戦で、同じ独奏でもピアノなどとは違い一度に最高6音しか奏でられないという制約のある中で旋律と伴奏を同時に表現する曲を作曲するのは,難しくもありますがとても楽しみでもあります。

彼のためにギターならではの特徴を生かした美しい曲を作り上げたいと思います。



彼の愛用のギターは、ロベール・ブーシェという人が制作したもので、ヴァイオリンで言えばストラディバリウスのような特別な銘器です。

ロベール・ブーシェという人は、本業の画家としてのかたわらギター制作をしていたそうですが、1960年代に彼によって作られた楽器は、芳醇な深みを持った音がするそうで、音色の幅も無限で、弾きながらこんな音色があったのかとギターから教わることもあるそうです。

コンサートなどで弱奏で弾いても客席の後ろまで音が届くというような点でも,他の楽器とは大きく違うということです。

この辺の話になってくると不思議としか言いようがありませんが、彼が製作した楽器の構造を細かく分析して様々な点で同じように製作しても、決して同じような音は出ないそうで、その点は、ストラディバリなどと同じで何か特別な秘伝があるかのようですが、私は、美しく深い音のする楽器を作り上げたいという製作者の想いの深さや魂の深さが製作の過程で直感的に何か微妙なことを自然にしているのであって表側だけいくら解析しても結果は同じにならないと想像するのです。

それは、感動的な演奏を理論的には解析出来ない事に似ているように思うのです。