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出来るだけ更新して行こうと思います。
これからも応援よろしくお願いします。

それから、「VOICE OF HEAVEN」を
全曲試聴出来るようにしましたので、
興味があったら聞いてみてくださいね。


さて今日は、私とクラシック音楽との出会いについて書こうと思います。

今までブログに書いてきたとおり、
ビートルズで音楽に目覚め、大学生になるまで
ひたすらドラマーになることを夢見てきたそれまでの私にとって
クラシック音楽との接点は、ほとんどないと言っても
過言ではありませんでした。

さださんの編曲をするようになって、
より良いストリングスを書くために
いくつかのクラシックのスコアに目を通した程度で、
クラシックのコンサートなどとても敷居が高い感じがして
行く気になれませんでした。

そんな私でしたから、ボストンに留学して、はじめてそこが
世界的なボストン・シンフォニー・オーケストラの本拠地であり
(あたりまえのことですが)、
音楽監督があの小澤征爾さんであることを知ったのです。

そんな無知な私が、ある日デパートに買い物に行ったとき、
売り場の方が私に話しかけてきました。

その前日の晩に放送された「イブニング・シンフォニー」という
日本で言えば「N響アワー」のような番組についての話題で
「昨日のセイジ・オザワは、すばらしかったわね!」と
情熱的に語るのです。

たまたま、その方がクラシック好きだったかもしれませんが、
日本では想像出来ないそういう場での話題に驚かされ、
ここでは、クラシック音楽を普通に多くの人が
楽しんで聞いているのだという印象を持ったのです。
その事がひとつのきっかけになって、
生まれて初めてクラシック音楽を生で聴いてみようと言う
気持ちが起きました。

バークリー音楽大学から歩いて5分ほどのところに
目的のシンフォニー・ホールがありました。
世界有数の名ホールなのですが、
その時は何も知らずにステージ脇の2階席のチケットを買いました。

いったいどんな音がするのだろうと期待しながら待っていると
オーケストラに続きまだ40代の若さの小澤さんが
ステージに登場しました。

譜面台もなく暗譜で指揮をする小澤さんの姿に驚かされましたが、
それにも増して初めて耳にしたホールという空間における
弦の響きの美しさに圧倒されました。

2階席ということもあって、
柔らかな調べが天空に美しく舞い上がってくるようでした。

それまで、私が仕事の時にスタジオや普通のホール
(反響版のないホール)などのデッドな空間で
耳にしていたストリングスとは、まるで違うものでした。

オーケストラ自体も世界的なレベルですから猶の事です。

当たり前のことですが、
マイクなど機械的なものを一切通さずに直接奏者の演奏した音が
自分の耳に飛び込んでくることに
新鮮な驚きと感動を味わっていました。

24歳になるまで聞かないで来たことが良かったのか悪かったのか、
とにかくビートルズ以来の衝撃的な感動でした。

映画音楽家を目指して勉強に来た場所が
ボストンであったということが、
私の心に生のオーケストラの音楽の素晴らしさを
決定的に印象付ける結果となったのです。