本日は、先日録音したNHKドラマ「海峡」の音楽のトラックダウンのためにNHKへ行って来ました。

トラックダウン(ミックスダウンとも言う)については、このブログでも何回か説明していますが、録音した楽曲のそれぞれの楽器のバランスを決め、音色を調節したり、リヴァーブと呼ばれる擬似的残響の種類や量を決め、より理想的な音楽に仕上げる作業です。

録音は、時間との戦いの中で進行していくため、トラックダウンで修正できそうな部分については、目をつぶってOKを出していく事もあります。録音の時にとことん理想的な音楽に仕上げたいものですが、それをやっていると予定している時間内に全ての曲を録音できず、予算をオーバーしてしまうという事態になりかねません。ここは、とても辛い所ですが、見極めが大切なのです。

最近では、プロツールスという録音機材を使用するのが通常ですが、この機材ですと、ちょっとしたノイズを消す事も出来ますし、音程の悪い部分のみを修正する事もできます。余談ですが、最近では、ライブコンサートでもヴォーカリストの音程を瞬時に修正してしまう事も出来るそうで、そういった機材の恩恵を受けて急に音程が良くなったと言われている歌手もいるそうです(笑)

以前のトラックダウンと大きく違うのは、そのトラックダウンのデータをコンピューターに記憶させられるため、エンジニアがあらかじめ何曲も作業したところで、まとめて聴けるようになったので、私としては時間の短縮になり、とても助かっています。(以前は、その作業全てにずっと付き合いながら、一曲ずつ確認しなければならなかったのです。)
エンジニアの鈴木勇一さんは、的確な音作りをしてくださっていたので、作業はスムーズに進み、とても良い仕上がりになりました!

今回は、選曲方式なので、この音楽たちを音響デザイン担当の岩崎進さんと坂本愛さんがどのように使用してくださるか、仕上がりがとても楽しみです。



今回の演出を担当されるお二方と記念撮影。私の右が岡崎栄さん、左が吉川邦夫さんです。

岡崎さんとは、もう20年以上のお付き合いになります。最初は、NHKスペシャルなどのドキュメンタリー作品から始まり、ドラマでは、「エトロフ遥かなり」、「ストックホルムの密使」、「大地の子」、「少年たち」など多数の作品でご一緒させていただきました。「愛・地球博」の開会式の総合プロデューサーも岡崎さんでした。

吉川さんとは、大河ドラマ「毛利元就」でご一緒しましたが、それ以来10年ぶりにご一緒できて嬉しく思います。