今日は、石川県立音楽堂で行われた岩城宏之先生の追悼演奏会に出席するため、金沢へ行ってきました。

15時から先に追悼式があり、出席者全員の黙祷の後、オーケストラ・アンサンブル金沢による演奏が2曲あり、石川県知事の谷本さんと金沢市長の山出さんから追悼の言葉がありました。

奥様の木村かおりさんに岩城先生に対する名誉称号の授与などがあった後、休憩を挟んで、追悼演奏会となりました。

音楽堂の洋楽監督でもある池辺晋一郎さんが司会を勤め、外山雄三さん、天沼裕子さん、ジャン=ピエール・ヴァレーズさんが代わる代わる指揮をしながら進行していきました。演奏が終わるごとに岩城先生に近しかった方々へのインタビューなどもあり、生前の岩城先生のことをしみじみと偲びながらの追悼にふさわしい内容の演奏会でした。

圧巻だったのは、ベートーヴェンの交響曲7番の4楽章を指揮者なしでオーケストラだけで演奏したことです。

昨日のブログで指揮者がいなくても演奏は出来るが、出来に関しては期待できないようなことを書きましたが、本日の演奏は、りっぱなものでした。

演奏会終了後、そのことをコンサート・マスターの松井さんに話すと、彼は、「この曲はOEKとして70回以上演奏しており、そのうち40回以上は岩城マエストロが振っているので、どう演奏するべきか団員全員の心の中にしっかりと刻まれているのです。さきほども、マエストロがまるでその場にいるようだった。」という様な事を語ってくれました。巨匠と呼ばれる指揮者がどういうものかを感じさせられるなんとも感動的な話です。

演奏会も一番最後の曲になり、指揮者、ソリスト全員がステージに登場し、池辺さんの指揮で中田喜直作曲の「夏の思い出」(岩城先生のお気に入りの曲であったそうです。)を出席者全員で歌いました。なんともなつかしい気持ちにさせられる美しいメロディーを口ずさみながら、岩城先生との思い出が心をよぎり涙があふれそうになりました。演奏会終了後、池辺さんにご挨拶をしながら、「夏の思い出、とてもしみじみとして良かったです。」とお話しすると、池辺さんも目頭を熱くされていました。



本番は、撮影出来ないのでリハーサル中に撮影しました。

字が小さくて読めないと思いますがプログラムの内容です。