最高だった『いとうせいこうフェス』初日。

その余韻に浸るヒマも全くなく、帰宅した瞬間から徹夜でCDの生産作業でした。私の『いとうせいこうフェス2日目』は、もう始まっていたのです。

とりあえず手元にある空のCD-Rを全部焼き切ったのが朝7時頃でしたかね~。
ようやく寝て、目覚めたらすぐに盤面に貼るアーティスト名、アルバム名のシール印刷。

印刷屋さんに飛び込んで、無理を言って超高速作業をしてもらい、シール完成と共にヨドバシで現地で焼くためのCD-Rと空ケースを購入。秋葉原から千駄ヶ谷まで、赤信号の度にCDにシール貼り(笑)。
とにかく慌ただしく会場(物販ブース)入りした瞬間からお客さんの長蛇の列!
在庫枚数をカウントする準備時間すらなく、バカ売れし続けました!ありがたい事です、本当に。

ようやくお客さんの列がひと段落して会場入りしたら、とっくにイベントは始まってしまっておりました。

オープニングも、みうらさんも竹中さんも見逃してしまった…。
でも、それは仕方ないのです。私のために並んで下さったお客さんが、それほど多く来てくれたという証です。
この日は、「出番もないのに物販コーナーにいる」という形でいとうせいこうフェスを盛り上げる事こそが私の任務!
いや~、いろいろ見たかったけど、仕事ですからしょうがない!


会場内では、客席3階テッペンの関係者フリーエリアで、ジングルズ永友くんと2人でイベントを見てました。
その客席にノートパソコンを持ち込み、CDを焼きながら見る、という荒技(笑)。

1アーティストだいたい15分なので、ちょうど3枚ずつ焼ける、というペースでした。

永友くんに聞いた話によると、オープニングからいきなり『いとうせいこう音頭』が、予想以上の大フィーチャーぶりだったようで、あ~…ますます見たかった!

でも、その後も転換の度に爆音でジングルズ・サウンドの嵐!
ジングルズ2人で並んで見ていたので、ライブ自体も見どころばかりなのはもちろんでしたが、転換中の時間こそが我々にとってのハイライト!

実は、いとうせいこうフェスのリハーサルの日(イベント2日前の9/28)の夜に、「あ~…いとうフェス準備の日々が今日で終わっちゃうのか~…」と寂しくなってしまった私は、なんと新曲ジングルのレコーディングをこの期に及んで開始し、不眠不休で曲を完成させ、朝8時ごろに永友くんといとうさんに新曲を送りつけるという、いよいよ本当に狂った行動を取ったのでした!


来てくれた方は覚えているかも知れませんが、「♪建設的が出たのがまさか30年も昔だなんて~キミは信じられるかい~♪?」というような歌詞の、○○ボーイズ風の曲なんですけどね。

もはや、自分の今年の春~秋の思い出集大成、というだけの徹夜レコーディングで、永友くんもさすがに前日の編集作業も無理だろうし、いとうさんはメールチェックすらしてる余裕はないと思っていたし、全く自分のジングルズ活動の締め括り(自己満足)のための徹夜レコーディングだったのでした。

ところが!いとうさんからは「この曲いい!」と、永友くんからは「先輩の心意気、受けて立ちます!」とのメールが!
それが、イベント前日、9/29の朝の出来事。音声スタッフさんや映像スタッフさんの段取りもあるし、納期という問題もあるし、単なるジングルズ2人の自己完結作業として作ったあの曲(ちなみに、タイトルは『Ito get around』笑)。

なんと、2日前に私の自宅で録音開始したあの曲が、サンディさんの出番終わりあたりの転換中に、大音量で流れたのです!
「キミは信じられるかい?魔法を信じるかい?」という歌詞があるのですが、まさに自分たちがそんな心境!
鳥肌が立ち、永友くんと抱き合い、握手し、ガッツポーズをし、泣きそうになっちゃいました。

とにかく、その後もあの大会場で、大音量で、ジングルズの楽曲が流れまくり! ほとんどのリードボーカルが私だったため、余計に目立つというか、耳につくというか、皆様、お騒がせしました。

でも、本当に嬉しかった!感激しっ放しでした!
スタッフの皆さん、ありがとう!お客さんもありがとう!…と、感動しまくりながら、着実にCDを焼いて、時々物販コーナーに行き来していた私でした(笑)。
そこで、またチョイチョイCDが売れちゃったりしてたりね。
あの人たちは、私が気まぐれなタイミングで物販コーナーに現れるのをずっと待っていてくれてたのかな…なんて考えると、また泣けて来ますね。

会場でジングル聴いて感動、ブースにファンの方が来てくれてまた感動(沢山の差し入れも本当にありがとう!)。ステージの素晴らしいアクトを見てまた感動。とにかく、いとうせいこうさんの驚異的な頑張りに感動!
さんざんアチコチをウロウロせざるを得なかった私ですが、どこへ行っても感動、感激してばかりでした。

スチャダラパーあたりからの出音の迫力も抜群で、ダブマスターX先生の恐ろしさを痛感!あのサウンドは凄かった!

そして、ラストスパート(と言ってもラスト2時間くらい)のいとうせいこうさんのパフォーマンスは圧巻でしたね~!
いとうさん、あなたの男っぷり、しっかり見させて頂きましたよ、CD焼きながら(笑)。

でも、最後の最後あたりは、さすがの私も「今はCDなんて焼いてる場合じゃない」と思うほど感動して、ついにパソコンを畳んでステージに見入ってました。

日本語のヒップホップの神様が降りてきた瞬間が何度もありましたね!

さすがでした!レコードデビュー30年という事よりも、この2日間の、今現在のいとうせいこうに心から祝福を送りたい、そんな気持ちでした。

物販を終え、打ち上げ会場でもいとうさんは元気!
さすがにぶっ倒れて早々に帰るんじゃないかと思っていましたが、閉店まで元気でした。

私にとっては、ただのお祝いイベントではなく、いろいろな面で、まるで夢の中にいるみたいだった『いとうせいこうフェス』。

終わって3~4日過ぎましたが、まだ『いとうせいこうフェス』の最中みたいな毎日です。

うちの町内のいとうのために集まって下さった皆さん、祝福してくれた皆さん、本当に本当にありがとうございました!
至らぬ点もあるかとは思いますが、今後とも、いとうせいこうをよろしくお願い致します!



ワタナベイビーより