Iraq Bagdad 2004 Mar.(2)前日に見た盛大なパレードの活気とは違った意味での興奮が人々を包む。この日の朝、モスク前広場で礼拝をしているシーア派信者の群集に向かって爆弾が投げ込まれたのだ。「アシュラ」とは、シーア派受難を再現する祭典であるが、まさに文字通りの受難の葬列へと変わった。人々の胸中には何とも言い知れぬ不安と怒りと恐怖が綯い交ぜになって憤怒の声をあげている。やり場の無い怒りは人々の心を蝕んでいく。まるで、この先に待っているイラクの凶事を予言しているかのようだった。