大学病院にいた峰不二子 | 春はあけぼの 女は美学

春はあけぼの 女は美学

50過ぎた女が感じたこと、考えたことを書いてます

こんにちは。伏見美帆子です。



アラカンオンナが、
感じるままに綴るブログです。


————————————————————
 
増山江威子さんが亡くなった。

もう88歳になられていらしたという…

ワタシにとっては永遠の不二子ちゃんだった。
キャットスーツを着て、バイクに乗り
どこからともなく現れ
男を惑わす…

ルパーン♡というあの声は
まだ小さかったワタシにとっても
なんて色っぽいのだろうと
同性ながらドキドキしていた。

その声と、同じ曜日にやっていたテレビアニメ、
「一休さん」のお母さんの声が
同じ人だと気づいたのは
そう長くかからなかった。
ルパンが日テレ月曜日7時から、一休さんがテレ朝7時半からだったような…


オープニングだったか、
それともエンディングだったか、
それぞれのアニメの声優を確認した時、

嗚呼やっぱり…
と幼心に思い←まだ小学生

こんなに幅広い声を出せる、
「増山江威子」という名前が、
ワタシのココロに深く刻み込まれた…

左側に一休さんのお母さんの姿が…



そんな、ルパン三世も一休さんも、いつしか、
すっかりワタシの頭の中から消え去り、

介護に明け暮れていた時、

増山江威子さんの声が、
いや、峰不二子の声が、

ワタシの前に突如として現れたことがあった。

今日はそんなお話。

不二子ちゃんは真紅の薔薇のイメージ🌹。



あの頃、
父が老人医療施設に入居しても
病院に連れていくのはワタシの役目だった。

かかりつけの内科の先生は
施設の近所の先生だったが、

他に、大学病院で、
血液内科
整形外科
内分泌科など…

いくつもの科にかかっていたのだった。

大学病院なので、
待ち時間もとても長い。
フラフラと徘徊しようとする父をなだめ、
おにぎりやお菓子で
父の気を紛らわせようとしていた。

診察が終わるとホッとして、
お会計を待ちながら、
父の好きなラテを
病院内のスタバで飲むのが毎回のお約束だった。



それがある日、
お会計用の機械が導入され、
お会計の待ち時間が大幅にダウンした。
それでもスタバは行ってたけど。

そしてその機械、
初めて使った時に、

ワタシをびっくら仰天させたのである!!!


普通の機械だ。
どこから見ても。

当たり前だがとても親切。
丁寧に次の動作を声で促してくれる。

診察券を、入れてください。

お金を、入れてください。
「、」のところは少し間が空いてゆっくり話してくれる

全ての会計が終わって、
領収書が出てきて
受け取った後、

その声は発せられた…



お大事に…♡

え?そんなの当たり前でしょ?
と思ったそこの貴方!
いや本当に、
♡マークついてるかのような話し方なの。
お金を、入れてください、の時の声よりも
もっと愛がこもってて、
もっと、

色っぽい!

なんなら、
峰不二子が、
「ルパーン♡」と話しかける前に
「ル」の前に小さな「ん」を入れるような…
わかるかしら…
ルパーン❤️」的な…
声出して言ってみたらわかる〜チューチューチュー

そう!
この声!この話し方!まるで峰不二子に
お大事に♡」と言われているような…
でもきっとあの声は増山さんの声ではなく、機械の音声だわね。それでもとにかく色っぽかった…
珍百景に応募すればよかった…笑い泣き

こ、こんなところに不二子ちゃんがっ!!!

それなのに、
嗚呼それなのにっ!!!

ワタシが1人でお会計の機械の前で
ドキドキアタフタしているのに
他の患者さんたち、
全く不二子ちゃんに気づかない。

だって皆さま、まだ機械に慣れてないようで
診察券や領収書もとらずに
スタスタと立ち去ってしまう方多数…笑い泣き

そもそも、
せっかく不二子ちゃんマシンが
「お大事に♡」と言ってくれるまで
機械の前にいない…。

この素晴らしさ?を
誰かと共有したくて父に話しても

不二子ちゃん知らないし…
ぼーっと一点を見つめながら、
なんとかラテをすすっているだけで…

つまらん。

家に帰ってから
Facebookに投稿してみたけど、
実際に聞いてみないと反応今ひとつだわよね。
動画撮っておけばよかったか…


今、あの大学病院に
お世話になることもなくなったが、
ジローがいたところとは別の病院ね

もう相当前だから
機械一新されているのだろうなぁ。
もうあの声は聞けないのだろうなぁ。


それでも、
増山江威子さんの訃報をお聞きして

あの優しい色っぽい機械の声に癒され、
ドキドキしていた、

介護に頑張っていた自分を思い出し、
ちょっとおセンチになった伏見であった。


増山江威子さんのご冥福を
心よりお祈り申し上ます。



そんなワタシがつぶやく箴言note。

不道徳なところは勘弁ね。

よろしかったら寄っていってくださいませ。