心に迷いが生じるとつい足が向いてしまう場所へ | 春はあけぼの 女は美学

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50過ぎた女が感じたこと、考えたことを書いてます

こんにちは。伏見美帆子です。



アラカンオンナが、
感じるままに綴るブログです。


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いつもより少し早起きをして、
神棚と仏壇のお供えを変える。

いつもより少し早起きをして
洗濯機を2回回す。

いつもより少し早起きをして、
掃除機をかけて雑巾がけをする。

いつもより少し早起きをして
お米をといで、朝ごはんをいただく

いつもより少し早起きをしたのは
あの場所に行くため。
心に迷いが生じると、つい足が向いてしまう
あの場所へ向かうため。


その場所は、
満開の梅と共にワタシを迎えてくれた。




何か
特別悩みがあるわけでもないのに
特別不満があるわけでもないのに
悲しいことがあるわけでもないのに

なんだか
ココロが閉塞感で満ちていた。

このままだと
灰色の重苦しい風船で
胸の内が飽和状態になってしまうような。


そんな時、
いつも足が向かう場所がある。

もう何度も訪れている。

そこは、
ワタシの心をリセットしてくれるところ。



武相荘。



尊敬すべき、憧れの白州次郎正子夫妻の

終の住処。

東京都町田市にそれはある。




初めて訪れた時、

ご夫妻の空気がそこかしこに漂い、

その世界観に圧倒された。


その時のワタシは、

こんな風に綴っている。


この武相荘を訪ねると
本だけでは味わえない彼らの世界観に
さらにどっぷりと浸かって
立ち尽くすとかひれ伏すとか
そんな言葉はあるけれど
本当にそれを体験してしまう。

立ち尽くすとかひれ伏すとか…


この時の比べると、
今はもう冷静に武相荘にいることが
できるようになったが

季節ごとに展示も変えられ、
その度に毎回、ご夫妻の息吹に触れて
感銘を受ける。


今回も、

心に残る言葉が展示されていた。


それは、

正子夫人の祖父にあたる、

樺山資紀氏の言葉。




何事か娯しみに非ざる

どんなことでも楽しみにならないことはない



伯爵で警視総監や海軍大臣を歴任し、

数々の戦争を戦い抜いてきた。

近代明治国家を作り上げた1人である氏の、

想像を絶するような体験に裏打ちされた、

真の強さからなるこの言葉。


全ての出来事をも

楽しみに変えてしまうことができる、

しなやかさと強さ。


それはまるで、

どこまでも高く伸びていく、竹のような。


武相荘にある竹林は大好きな場所



その姿は、

どんな時にでも己を貫き、

楽しさを忘れることがなかった白洲ご夫妻にも

受け継がれているように思われるのだ。



粋に

雅に

頑固に

人生を面白がる…




忘れていたなぁ。

生活を、人生を、楽しいものと思えずに

淡々とダラダラと過ごしていた。


贅沢病である。


すぐそばに

楽しいこと、面白いことは

転がっているはずなのに


なんだか自分の世界に籠っていた。

それはそれでアリなのだけれど、

そんなことが続いていると


ワタシは息苦しくなる。


もっとしなやかに、

ヘラヘラしながら

自分の好きなことを楽しんで

生きていきたいものだわ。


そわなことを気づかせてくれた

武相荘。


また春に行かなきゃ。


自分を振り返るために。