「デジャ・ヴュ」が「ちむどんどん」へ | 春はあけぼの 女は美学

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50過ぎた女が感じたこと、考えたことを書いてます

こんにちは。

文字つづりすとの伏見美帆子です。



アラフィフオンナが、
感じるままに綴るブログです。

 


 

次回の、

月綴香(GETTEI-ka)

    〜満月に綴られる香り〜 は、


6月29日(水)の新月に、

山羊座満月編の申し込みを開始予定です。

 

どうぞよろしくお願いいたします。


こんな感じでアロマスプレー作ってます



ワタシは日頃から、

ドラマはほとんど見ないのだが

ココ何年もかかさず見ているドラマが

ひとつだけある。


それは、

NHKの朝の連続ドラマ。

15分の枠に、頑張って明るく生きている

主人公たちの姿に、

朝から元気をもらっているのだ。


今は、

「ちむどんどん」。

沖縄から上京してきた少女が、

料理人を目指して成長していく姿と、

その周りの人たちを描いているドラマ。


その中で、

この人は誰だろう?という女優さんが一人。


気になって調べてみた。


ヒロインが住む鶴見で沖縄県人会の会長役の

片岡鶴太郎さんの奥さん役。


どこかで見たことがある人だ…。



ググってみた時、

その女優さんの名前を見て、


ワタシは息を飲んだ…。



その名前は、



長野里美さん。


とてつもなく見覚えがある名前…


もしかして…


やっぱり…。



長野里美さんは

かつてワタシが好きだった、


劇団「第三舞台」の看板女優さんだった。


「第三舞台」は、鴻上尚史主宰の劇団。

早稲田大学の演劇研究会の中で結成された劇団で、

その時々の流行や風俗を取り入れ、しかも軽快なセリフ、音楽、ダンス、と、若者が夢中になるには時間の問題。思いテーマでさえも、ギャグで笑い飛ばし、その台詞の速さに思わず引き込まれてしまう。

そんな、「第三舞台」は、もう随分前に解散してしまっていた。



実は、

ワタシがこの「第三舞台」を知ったのは

理由がある。



それは、



高校の学園祭で、

「第三舞台」の脚本で映画を撮ったからだった。



ワタシが通っていた高校は、

いわゆる「模擬店」は禁止、


研究発表

映画

演劇

コンサート

といった、

出し物だけしか許可されていなかった。

どうもそれは今でもそうらしい…


クラスで何か必ず出し物をしなければならず

こともあろうに、


受験で忙しい高3の春から夏に

ずっとその映画を撮り続け、


実はワタシはその時、


長野里美さんが演じた役を演じたのだった。



30年以上前の17歳の夏、

「第三舞台」が好きだったクラスの男子が

この映画を撮ろうと

提案したのは、


第三舞台を世に知らしめることとなった、


デジャ・ヴュ。



もちろん、

みんな小劇場なんて観た事もなかった。

どんなふうに演じられてるかも、

誰も知らない。

その、提案してきた彼を除けば。


その巧みな台詞とギャグに翻弄されながら

みんなで右往左往しながら映画を作っていった。

色んなトラブルもあったけれど。


ワタシは、衣装も担当していたから、


警官の衣装や

軍服など、


その当時六本木の○衛庁に勤めていた父に

頼んで、

○衛隊の制服を借りしたりしていた。

今では考えられないわ。高校生に制服貸してくれるなんて。

というか、制服を外部に持ち出すなんて…

しかも、めちゃくちゃ偉いトップの方々の制服…

まだ六本木にあった頃。

まだ「庁」だった頃。時効ということで…🙏

制帽もお借りしましたわ。陸海両方とも。



長野里美さんの名前を見ただけで、

一瞬で

あの青春時代に戻った。


結局、

勉強以外に頑張りすぎて

浪人したり、

第一志望落ちちゃった子たちも多かったけど。


切なさもあったけど、

なんだかとても、

懐かしかった。


思い出は美しい〜笑



大学生になって、

第三舞台を観に、何回か下北沢まで通った。

初めて観た時

私たちが作った映画が

いかに幼稚だったかを思い知らされ

同時に

演劇を「魅せる」人たちが

どんなにすごいことかを知った。

これだけの膨大なあのセリフを

早口で捲し立て

それもちゃんと客席の隅々まで聴こえて

最後まで、観客の心を掴んで離さない。


プロって、

すごいなと

肌で感じたのだった。



今回、懐かしくなって、

あの時に台本がわりに使っていた本を

購入した。


あの時に使っていた本はとっくの昔に捨てたしまったのでね


読み返してみると、


沖雅也とか

愛人バンクとか

ETとか、

哀愁の町に霧が降るのだ、とか、

ベッケンバウワーとか笑笑、


まさに時代を映し出す言葉や人が

台詞の中で出てきていた。


乾いた笑いの奥に

ニヒリズムと毒の

魔力が潜んでいる


送られてきた本の帯に書かれていた言葉。

あの頃、

こんな事もわからずに

必死になって

映画を作っていたんだなぁ。


今回、

長野里美さんが出演しているドラマの題名

「ちむどんどん」とは、


心がワクワクドキドキするという意味。


長野里美さんは、

ドラマだけでなく、

かつての有り様でも

ワタシに

「ちむどんどん」させてくださった🎶。


ありがとうございました。


あの頃を思い出して、

またゆっくり読み返します。

Photo by 東山弥生さん