雨の匂い〜嗅覚と本能 | 春はあけぼの 女は美学

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50過ぎた女が感じたこと、考えたことを書いてます


こんにちは。渡邊美帆子です。



アラフィフオンナが、
感じるままに綴るブログです。





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雨に降られた。







銀行と買い物を午前中に済ませようと思った。


天気予報では曇り。


だが外に出ると、
草の香りがした。


雨の前の
植物が放つ緑の香り。





これはもしや、
もうすぐ雨が降るかもしれない。
でも、
空はまだ明るい。
何とか大丈夫だろう。



銀行を2軒回り、
買い物を済ませて店を出ると、

サラサラと雨が。
でもまだそれほど降っていない。
急いで自転車をこいで家路へ。



途中の川沿いの並木道からは
緑の香りが強くなる。

木や葉っぱや土の匂いと
雨に濡れたアスファルトの匂いとが混ざる。



サラサラと降る霧雨とはいえ、
その勢いは少しずつ強くなり
家に戻った時には
私のシャツはしっとりと濡れていた。


香りが雨を教えてくれていたのに、
自分の嗅覚を甘くみていた。


嗅覚は、
視覚、触覚、味覚、聴覚を合わせた五感の中で、
唯一、脳の中で別の経路を辿る。



嗅覚だけが、
本能や感情に直結した「大脳辺縁系」という
脳の部位に通じている。

理性で考えるよりも前に
理性を司る「大脳新皮質」に到達する前に

嗅覚は本能や感情を支配する。


四足動物の鼻が顔の中で一番前に出ているのは、
嗅覚によって
一瞬で自分の生命を守るよう
危険を察知できるようになっているからだと
言われている。




食べてはいけない匂い
敵を察知する匂い
獲物を察知する匂い

一瞬で感じ取り、
反射的に行動へ移す。

動物たちは
嗅覚でも自分の身を守っている。


人間である私も
草の香りで雨の匂いを
雨に濡れるかも知らない危険を
察知していたはずなのに、

自分の感覚を未だ信じていなかったようだ。




そして雨は、
いつのまにか止んでいた。

濡れ損。笑笑。