ビル・居酒屋・表 (夜)

 

眼鏡に髪を一つに束ねた地味な女・小山内春(28)が、スーツ姿の社員十数名に囲まれている。

春、大きな花束を手にしている。

 

 春 「本当にお世話になりました」

 

社員ら、酔っ払いながらも「お疲れー」「頑張れよー」などと言いながら春に拍手を送る。

社員の中には、サンタ帽や赤鼻をつけた者がいる。

 

男性社員「じゃ、二次会行く人は僕についてきてくださーい」

 

「はーい」「あれ真田さんは?」「トイレじゃないですか」などと言いながら、ご陽気にエレベーターに乗り込む社員たち。

 

春 「あの、私はここで……」

 

男性社員「え、そうですか? 了解です。あ、真田さん出てきたら、二次会いつもの店だって伝えてもらっていいですか」

春 「分かりました。じゃ……お疲れ様です」

 

エレベーターが閉まるまで、頭を下げる春。

疲れた顔で頭を上げると、居酒屋の入口に視線を移す。だが、誰も出入りしていない。

 

 

 春 「……」

 

春、逡巡するもエレベーターのボタンを押す。

 

 


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アベマオリジナルドラマ「私が獣になった夜」を小説仕立てで掲載

 

【続きが見たい人は】

▼ドラマ『私が獣になった夜-名前のない関係- #6 『元カレとの夜、ズルくなった私』本編はこちらから
 

 

 



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