【居酒屋・店内】
ビールを飲む絵梨。向かいの席から陸の視線を感じている。
手を伸ばして枝豆を食べる陸。
陸 「先輩、冴木さんのこと気になってます?」
ビールを吹き出しそうになる絵梨。
絵梨「は?何、急に」
陸 「やっぱそうなんですね」
絵梨「(動揺し)そんなわけないでしょ」
陸 「わかるんですよ。俺、先輩のことばっか見てるから」
絵梨「え」
陸 「先輩わかりやすいですから。まぁ確かに……
冴木さんは渋くてカッコイイと思いますけど、若さとか将来性とかトータルして俺のほうがおススメですね」
絵梨「それ、自分で言う?」
陸 「事実でしょ」
絵梨「いつも思うけど、そういうことサラッと言えるのすごいね」
陸 「ちょっとでもアピールしないと」
絵梨「……」
陸 「何で彼氏作らないんですか?」
絵梨「え?」
陸 「彼氏がいないって話がホントなら、俺も候補に入れてくださいね」
絵梨「……」
絵梨(本当は、踏み出せなかった。年下の元彼と揉めて別れてから)
メニューに手を伸ばす絵梨。
絵梨「それより、今日のプレゼン、ホント良かったよ」
パッと顔が明るくなる陸。話題が逸れて安堵する絵梨。
陸 「ありがとうございます!」
絵梨「頑張ったんだから何でも頼んで!今日はご馳走するからさ」
陸 「マジですか、カッコイイ」
絵梨「まあね」
陸 「あ、でも年上だから奢るとかイマドキじゃないっすよ……」
絵梨「上司だから奢るの!」
陸 「じゃあ男だから俺奢りますよ」
絵梨「男だからとか、そっちのほうが古いじゃん」
陸 「あー、こんな話前もしたような」
絵梨「したっけ?」
陸 「しません?」
絵梨「(かなり間があり)したか」
陸 「(笑って)しょうもな!」
メニューを手渡す絵梨、陸、受け取りながら、
陸 「今回のプレゼンはかなり厳しいと思ってたんで……うまく話がまとめられたの、ホントに先輩のおかげです」
絵梨「私は資料のチェックしただけで……」
陸 「先輩の完璧なチェックと俺の完璧なプレゼンの、当然の結果ですね」
絵梨「自信過剰! 何か違うの飲もうかな」
陸 「先輩はそろそろ日本酒でしょ? はい、俺正解。頼みましょ」
絵梨「(笑って)また出た! 自信過剰」
店員に声をかける陸を見て、
絵梨「(ポーチを持って席を立ち)ちょっとごめんね」
洗面所で手を洗っている絵梨。
絵梨(後輩だけどしっかりしてて、何でも任せられるし、好きだと言ってくれる……
一緒に飲むのは楽しいし、女として見られるのも悪くない。一番気楽で居られる)
最後に髪を整え、立ち去る。
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アベマオリジナルドラマ「私が獣になった夜」を小説仕立てで掲載
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