私は味噌汁が好物です。

 

特に好きなのは海苔の味噌汁で、セブンイレブンに売っているカップの味噌汁をよく購入して飲みます。

行儀の良さとは無縁の生活を送っている物ですから、そこに冷や飯を突っ込んだりして食べるという、人の目をこれっぽっちも気にしない食事を好んでおり、これがまた海苔の絡んだ飯をズズズと掻っ込むと磯と出汁の香りが口の中に広がり、大変美味しいのです。

 

さて、味噌汁というと、どうしても家庭的な印象が出てしまいます。

おふくろの味といわれて連想するものは、肉じゃが、みそしる、きんぴらごぼうといったところでしょうか、当然味噌汁は食卓のイメージにつきまとうものだと思います。

 

私が海苔の味噌汁が好きなのも、父方の実家が海苔の名産地であることに無関係ではないでしょう。

しかし、私はこの味噌汁の持つ、家庭的なイメージにかなり辟易としているのです。

 

ただ、単純に、味噌汁が好きというだけ情報なのに、それを口にした途端、おそらく相手の脳内では私が家族と食卓を囲み熱い味噌汁をフーフー言いながら仲睦まじく啜っている様子が連想されているんだろうな、考えずにはいられません。

別にそんなことはないのに。

1人、コンビニの味噌汁を啜っているだけなのに。

必要以上に「暖かい食べ物」としてのイメージが味噌汁にはある気がします。

 

こうした、言葉自体の持つ意味が食べ物の評価に加わってしまっている事を、むずがゆく感じてしまいます。

まぁ私自身の偏見が強すぎるので、そう感じてしまうという話なのですが…。

 

好きな食べ物なに? という定番の質問に対しての答えを用意している人は多いでしょうが、私はその度に一旦味噌汁という答えをしまい込みます。

そうだなぁ、外で食べるならインドカレーが好きだね、あの味は自炊では出せないよ、なんて言ったりして。

決して味噌汁などという、後に待っている今度食べに行こうよ的な会話の展開を詰まらせる返答はしないでしょう。

 

味噌汁…汁物というなくてはならない存在なのに決してメインになれない料理…

かなしいですね。