移り気などと他人(ひと)に呼ばせて、
ひっそりと咲く雨のなかの紫陽花よ。

艶やかな藍を哀しげに滲ませ、
いったいおまえは何を想う…。


次から次へ
色を移らせ誘ってみても、
己が身の還る先はひとつと知っているのか。

冷淡な淑女を気どっても、
心に宿る想いはきっとお前を手放さない。


艶やかな藍を滲ませて、
ひとり泣くのか…。


雨のなかの紫陽花よ。