雪を待つ。

少しずつ傾きゆく陽射しに
ざわめく心を抑えながら…。


雪を待つ。

あなたの手を
そっと握りしめながら…。


白い雪はきっと、
なにもかも包み込んで消し去ってしまうだろう。

その柔らかな羽根のひと掃きでそっと…。
途切れることのない純白色にずっと…。


あなたの抱えるその痛みも、
私のちっぽけな戸惑いさえも。

きっと、
なにもかも消し去ってしまう。


ただ雪を待っている私は、
無力かもしれない。

だけれどもこの瞬間、
あなたのそばにいたいと願う。

その震える肩に触れながら。

目を凝らし、
変わりゆく季節の風を感じながら。

その時をあなたのそばで見つめていたい。


信じて…。
時が解決することだってあるということを。