前回に引き続き、建築トラブルを避けるためのポイントについて書いてみます。

今回は二つ目の『建築契約』です。


②建築契約
フローの中では土地購入契約と建築契約とを並列で記載しましたが、実際は建築契約をする時点で土地購入の契約は終えているのではないでしょうか。

となると、建築契約を終えて費用が振り込まれてしまえば、もうスタートです。

つまり、後には引けません。

厳密には、何かしらの事情で引き返すことも可能ではあるのでしょうか、そうそう簡単にはいかなくなるということです。

よって、ここが最後と思って確認すべきポイントだと思います。


契約内容はそのメーカーそれぞれだと思います。

幾つかの例を踏まえて気を付けるポイントを挙げられれば良いのですが、残念ながら私はBESSの契約内容しか知りません。

ですので、ここではBESSの契約内容でどこを確認しておけば良かったか、という視点で書きますので、これから契約に臨まれる方は、ご自身が結ぶ契約内容と照らし合わせて押さえるべきポイントを確認して頂ければと思います。

ここで触れるのは、
(1)施工基準
(2)近隣トラブル
の二つです。


(1)施工基準
おそらくですが、これはどこのメーカーの契約書でも触れられている事項ではないでしょうか。

そして、その内容は当然『関連法令を遵守する』というものになっているはずです。

当然ですよね。

これはどこもそうだと思います。

ですから、ここで気を付けたいのは内容以上に、その範囲です。


この項の記載内容が、『建築・設計に限らず、調査や申請業務も含んでいる』ことが明記されていれば大丈夫だろうと思います。

ですが、その範囲が明記されていない場合は、この項の範囲が、『建築・設計に限らず、申請手続き等を含んでいる』ことを確認しておくことをお勧めします。

おそらく、契約自体は、申請やそれに伴う調査などの業務も含んだものになっていると思います。

であれば、明記されていなければ、その範囲は申請業務等を含んだものと考えるのが自然ですが、念のため確認するのが良いと思います。


お気付きの方もいらっしゃるかと思いますが、これは、先の記事【同じ轍を踏む前に(①土地調査)】で触れた技術基準について、契約上でも明確に担保するためのものです。

ですから、万が一、

「設計や工事は基準を満たしますが、申請や調査は基準を満たしません」

なんて言ってしまうメーカーでしたら、契約するのはとても危険だと思います。

明記されていたとしても、口頭で念押しの確認をしておくのが良いかもしれませんね。


(2)近隣トラブル
これも、どこのメーカーの契約書でも触れられていそうな気がします。

ですが、その内容は?

どこも一緒ではないかもしれないですね。


ちなみにBESSの契約では『工事敷地の瑕疵等』という項で

「工事現場の状態及び近隣地との関係等に起因して工事の遂行上不都合が事由が生じた時は、施主負担」

と記載されています。

単純に読むと、「近隣から苦情があったら、それは施主が自己負担で対応する」という内容に読めます。

これは、一瞬「え?」って思いますよね。


近隣から苦情があったら、その背景がどうあれ、施主が全部負担しなきゃいけないの?

それはちょっと。。。


となるのが普通だと思います。

ですから、これは他の項も絡めての話になります。


BESSの契約では、『第三者の損害』という項があって、そこでは

「施主の責任ではない理由により、第三者の生命、身体その他の財産に損害を及ぼし紛議を生じた場合は、BESSが解決にあたる」

という旨の記載があります。

つまり、「BESSの過失で近隣から苦情があれば、それはBESSが解決にあたるべき問題」ということになります。

当たり前ですよね。


実際、私は契約の席で説明を受けた際、前述の『工事敷地の瑕疵等』の内容については、
「BESS側に過失がなく、正しい手順でやっていても、近隣住民から苦情が出ることは起こり得る」
「騒音や景観についてなど、後々になって予期せず苦情が出ることもあり得る」
「そういう場合は、施主に対応してもらうことになる」
という説明を受けました。

ついでにいうと、
「そうならない様、十分気を付けるし、万が一そうなったとしても私達も全力でサポートします」
とも言ってました。


ですが実際に問題が起きると、BESS富士は

「『工事敷地の瑕疵等』があるので近隣からの苦情は施主負担」

と主張して、対応も費用負担も、全て施主に押し付けてきました。

問題の根本原因はBESS富士の『調査不十分、手続きの不備』によるものであり、それによって第三者の財産(農作物)に損害が生じるために起きた紛議であるにも関わらず、です。


他のメーカーの契約書がどうなっているのか分かりませんが、この事例の様に、普通に読んだらメーカー側がやってくれそうな場合でも、いざとなったら手のひらを返されることもあります。

となると、普通に読んで大丈夫そうでも、それだけではちょっと不安ですよね。

ですから、ちょっと難しいのですが、ここは具体的なケースを示してメーカーに確認を取っておくのが良いと思います。


近隣からの苦情は様々なケースがあると思いますし、選んだ土地や近隣の状況次第で、どこにリスクがあるのかも変わると思います。

ですから、その立地に合わせて具体的に落とし込んだケースを示して、メーカー側に確認を取るのです。

私が直面している事例は、その具体的なケースを考えるための参考になると思います。

他にも、どんな立地でどんなトラブルが起きているかは、インターネットで調べれば参考事例にたどり着けると思います。

もし、私の場合と同様に、マイホームを建築しようしている土地が市街化調整区域や下水道が整備されていない場合であれば、排水に関してはリスクがあると考えて良いでしょうから、この事例をそのままぶつけてメーカーに説明を求めることをお勧めします。



という訳で、②建築契約で気を付けて頂きたいことを書いてみました。

最後のはちょっと難しいかもしれませんし、手間かもしれません。

ですが、マイホームはとても高い買物ですから、私としては多少の手間を惜しまずに、慎重を期して進めていただくことをお勧めします。


マイホーム建築を検討中の皆さまにおかれましては、この事例をご参考にして頂き、ハッピーなマイホーム生活を送っていただければ幸いです。

 

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