弁護士同席での話し合い以降、弁護士さんに私の代理人としてBESS富士とやりとりしてもらう形をとることになり、私の負担はだいぶ和らぎました。

BESSはこちらが何を言ってもその場しのぎでやり過ごす対応しかしませんし、説明を求めても理に適っていない的外れな主張を繰り返すだけなので、とても疲れるのです。


約3週間後のこと、弁護士さんから連絡があり、河川放流の事前申請が無事に通ったとの報告を受けました。

本申請をしたら、1か月以内に許可が出て、それから工事をして引き渡しという流れになります。

これで、何とか着地点が見えました。

問題はここからです。


弁護士同席の打ち合わせの際、

『費用については全て終わってからで良い』

という話でまとまっていたのですが、ここでBESS富士は態度を翻し、

『本申請をする前に付帯契約を結べ』
『施主が費用負担を了承しない限り、手続きも工事もしない』

と言ってきました。

今更驚きませんが、酷い話です。


弁護士さんと相談して、ここで交渉に入ることにしました。

弁護士さんからは、付帯契約に金額を最後にすることを盛り込んだ一文を追加した上で契約を結んで、工事までやらせてから金額交渉をする案も提案されたのですが、それは少々小細工を弄する感じがあって抵抗がありましたし、正攻法でこちらの主張を真っすぐぶつけ、白黒つけて進めるのが良いだろうと思ったのです。

こちらから求めるのは、追加工事の費用無償、引き渡し遅れによる損害賠償です。


最初の交渉相手は、BESS富士にしました。

私も弁護士さんも、今更BESS富士と話をしても解決するとは思っていません。

『交渉するのならBESS本体だ』

というのは、私も弁護士さんも一致した意見でしたが、正攻法で行くのなら、まずは担当窓口となっているBESS富士に話を通すのが筋ですし、

『BESS富士に話をしても対応してもらえなかった』

という事実があった方が、本体へ対応を求める際にも後押しとなります。

それに、最終的に裁判になった場合にも、その方がこちらを利することになると判断しました。

こちらからは最後通告としてBESS富士に伝えて、最終回答を受けてから本体へ話を持っていくという流れです。


交渉の内容に関しては、私と弁護士さんで話し合って大筋の内容を決めて、交渉は弁護士さんにお任せしました。

こちらからは、今回の追加工事に関して

『施主に過失はなく、施主都合によるものではないこと』
『BESS富士の調査、手続きは行政の定めた技術基準に満たないものであり、それが原因であること』
『問題発覚後もBESS富士が対応を怠ったこと』
『当初は河川放流の工事を不可能としながら、引き渡し期日に間に合わないタイミングで可能と説明を翻したこと』

などを指摘した上で、それを踏まえて誠意ある対応を検討するよう求めました。



数日後、弁護士さん経由でBESS富士からの回答が来たことを知らされました。

私は、

「BESS富士が誠意ある回答をしてくることは、まずないだろう」

と予想していましたが、電話越しでも如実に分かる弁護士さんの怒りに震えた声で、私は自身の予想が的中したことを悟りました。

BESS富士の回答は、

「追加工事費用の113万1900円を110万円でやりますよ」

というものでした。

ただ端数を切り捨てただけで、こちらの損害賠償については一切触れられていませんし、そこに誠意が表れているとは全く感じられません。

それどころかBESS富士は

「引き渡しまでの期間が延びるほど仮設費用・管理費用がかかることもご承知おきください。」

と言って来たのです。


頭おかしいんじゃないの?

引き渡しが延びるのは、100%完全にBESS富士の責任です。

それを謝罪の一言も無く、「こっちだって引き渡しが延びることで費用がかかっている」という言い草です。

完全に論理破綻した主張で、話になりません。


弁護士さんも、

「こんな対応、こんな話、まともな事業体としてちょっと考えられません」

と困惑と憤慨が入り混じった様子でした。


「少し冷静になってから、もう一度話をしてみます」

と言った弁護士さんから数日後に再度報告で聞いたBESS富士の回答は、これまでのBESS富士の姿勢を集約した、本当におそまつな回答でした。

 

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