11月11日11時
【ずいずいずっころばし】を教えてくれた。
【おせんべやけたかな】を教えてくれた。
覚えた僕は、楽しくて楽しくて、何度も何度も手遊びをしてもらった。
朝、いつまでも寝ている僕に【起きろよ起きろよみんな起きろ~】と、起床ラッパの歌を歌い、教えてくれた。
僕が朝、食欲が無くご飯を食べないと、お茶碗のごはんに一切れの筋子を乗せ、
味の素とお醤油をかけ、細かく筋子をほぐし混ぜてくれた。
その味が大好きで大好きで、朝の食卓に筋子があると、いつも作ってもらった。
今でも大好きな味だ。
お風呂にも一緒に入ってくれた。
大好きなコーンフレークに牛乳をかけて食べさせてくれた。
一日一粒だけくれる【肝油ドロップ】が大好きだった。
眉間にしわを寄せ、薄目になり、大きく口を開けて笑う笑顔が印象的だった。
イスの上に正座している姿が印象的だった。
いつも、はだけた服で幼稚園から帰ってくる僕がおかしかったと、大笑いしながら、何度も話してくれた。
ビックリマンチョコを一箱、お土産で買ってきてくれた。
僕が37歳になるまで、毎年【お年玉】をくれた。
『何だって【商売】は大変だ、頑張ってね』と応援してくれた。
『うちの孫が柏でパーマ屋やってるんだ』と宣伝してくれた。
入院した病院にお見舞いに行くと、『暗くなると橋が混むから早く帰んな』と毎回言った。
病院のご飯が美味しくないと言って残していたので、鮭フレークを持っていったら、『しょっぱくて美味しい』とそればかり食べていた。
体も動かなくなり、まったく話せない状態でも、話かけると『あぁ・・・』『あぁ・・・』と返事してくれた。
もう最後は、声も出せずに体がピクリとも動かずにいたが、話しかけると、
細かく数回の まばたき で答えてくれた。
おばあちゃん
たくさんのおもいで
ありがとう。