劇団わたあめ工場 #12「丘ノマタ旅」


沢山の方々に愛され、惜しまれながら…!
無事に終演致しました。
共に旅をして下さった皆様!
旅は出来なかったけど、ずっと応援して下さっていた皆様!

本当に、本当に有難うございました!





毎回、終演後には作品への思いをつらつらのブログに書きなぐっているのですが…
その作者からの「答え合わせ」が丘ノマタ旅に限っては“野暮”だと思うのです。

なので、脚注では登場しない、描ききれなかった部分だけお話ししようかなと思います。




と、その前に今作へ込めた個人的な想いを少しだけ。今作は「弱虫な少女」が「立派な女海賊」へと変貌を遂げる成長ストーリー。


人は一人では成長できない。周りの人達からたくさんの影響を受けそれが人格形成へと繋がる。出会いが紡ぐ物語を書きました。


大変身内ごとになりますが…
この度、主演を務めた劇団員の濱田侑香里。
劇団に入って丁度2年くらい立つでしょうか?

初舞台をわたあめで踏んでくれて…そこから彼女を見届け続け、成長を目の当たりにしてきました。役に親身に向き合い、その世界で生きようとするゆかりに成長ストーリーを捧げたかった。それがこの作品を書こうと思ったきっかけになります。

お陰様でたくさんの方に愛され、「少女」の成長を見届けて頂きました。
この経験が更に生かされ、また新たな“成長”を遂げる事でしょう。





さてそれでは“野暮”なちょい出しターンに参りましょう。最後までお付き合い頂ければ幸いです。








【少女を育てた島】

カウィージャ島、ビットリオーザ。
この島は先の時代から騎士団が統治し、砦島、要塞島として知られていました。
赤髭海賊団の船長ヴァルバロス・パキラはこの島で生まれ、すくすくと育ちました。
しかし要塞島に生まれた反動なのか、大海原へ出て冒険するような「海賊」へと成長したのでしょう。

パキラにとって、故郷は決して心休まる場所ではなかったし船の上が彼の本当の故郷であったものの、旅の途中で拾った一人の少女を立派に育て上げるべく自らが育った島「カウィージャ島」を選んだのでした。


海賊団のみんなから初めは大反対され、中には抜けていく者もおりました。
しかし、パキラの必死な説得とガジュマルの協力で海賊団全員で少女を育てる事になりました。

少女が立派な女海賊へと成長したら、共に大海原を旅しようと約束をして。

そこから先は脚注でも描かれている通り、その約束は果たされないまま……
パキラは旅立ってしまいました。


【パキラとキキョウの確執】

カウィージャ島で生活をする為には騎士団の許可が必要。しかし正攻法で言っても海賊の滞在を許す訳もない。そこでパキラは騎士団の姫との交渉に向かったのです。
要塞島の鉄壁の守りを利用したのです。
パキラが子供の頃使っていた秘密の入江から侵入した事実を伝え「海賊の侵入を許した騎士団」の汚名を着せる事により説得へと繋げたのです。
パキラの口車に乗せられたキキョウはここで少女が育つまでの10年間、生活を許可したのでした。



【パキラの死】

パキラがビットリオーザに来てから10年間。騎士団の統治は緩み、町民達の中にはパキラこそ島を統治するのに相応しいと声を上げるものもおりました。町は騎士団派と海賊団派に分かれることとなったのです。
しかし、騎士団長キキョウは「絶対的統治」を望んでいた。そこで、ナツムメ殺しを計画したのだった。
まずポトスに神経麻痺の毒が入った葡萄酒を持って行かせ、それをナツムメに飲ませようとした、咄嗟に逃げたり出来ぬように。
そしてそこをニボシに狙わせたのだった。
しかし計画は崩れ、その葡萄酒はパキラが飲み干し、狙撃もパキラがナツムメを庇うという形で失敗に終わる。

神経麻痺の毒の入った葡萄酒を飲み、体が痺れを覚えていたにもかかわらず…パキラは鍛冶場の力を振り絞りナツムメ目掛けて駆け寄ったのだ。

もし、毒を飲み干していなければ…パキラともあろう男が狙撃される事は無かったかも知れない。

 



以上、描き切れていない&パキラの死の詳細についてお話し致しました!
またぽつりぽつりと上げられれば良いなあと思っております!
ここまで読んでくださった皆様ありがとうございましたああ!!!!!



劇団わたあめ工場
作・演出 小野寺真美


via わたあめの作りかた
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