機材で見るツール・ド・フランス小史(1988~1990年) | 今日もチェレステの下で

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子供の頃からの憧れ。Bianchiのチェレステカラーのロードバイクを購入したその日からの、サイクリストとして成長していく日々を綴っていきます。

このテーマ、2回目です。(  ̄▽ ̄)

前回(1986~1987年)



今回は1988年・1989年・1990年の各大会をチェックしていきます‼





1988年大会。



クライマーからオールラウンダーへと進化を遂げたデルガドが、念願のマイヨジョーヌ戴冠。

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オランダのPDM-コンコルドから、地元スペインのレイノルズにエースとして復帰。超攻撃的な登坂力と、オランダ時代に磨いた平坦スピードで圧倒的な勝利‼‼

ちなみに、レイノルズは、後のバネスト、今のモビスターの源流のチームです。

1988年大会、機材面では特筆すべき変化は見て取れませんでした。ビンディング装着率は、前年よりも高くなっていたような……。

デルガドが駆る赤銅カラーのピナレロがカッコよかった(*^^*)













1989年大会。




フランス革命200周年。

フランスの期待を一身に背負うフィニヨンと、猟銃事件からの復活を遂げたレモンの熾烈を極める一騎討ち。

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ツール・ド・フランス史上に残る激闘。



この1989年大会は、レース機材でも重要な大会でした。





そうです、DHバーのツール初登場‼‼
グレッグ・レモンが革新の源となりました。

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ツール最終日に設定された個人TT。ゴールはシャンゼリゼ。

DHバーを装備したカーボンフレームのTTバイクを駆るレモンが、史上最速スピードでフィニヨンを大逆転‼‼

50秒差をひっくり返し、最終日にマイヨ・ジョーヌを奪還、2回目のツール制覇を果たします。

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2位フィニヨンとの差、わずかに8秒。


笑顔のレモン、うつむくフィニヨン。
プロローグに遅刻しなければ、連覇できたかもなぁ」という後悔に浸るデルガド。

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レモンが駆ったカーボンバイクのフレームは、TVTというフランスの航空機材メーカーが製造したもの。


1986年にツールに初登場したLOOKのカーボンバイクも実はTVT製だったようです。
他社ブランド品の製造、いわゆる、OEMですね。

1989年には自社ブランド展開が始まって、レモンが乗るバイクにはTVTの文字が刻まれています。

これがレモンとともに、ツール・ド・フランスの新時代を切り拓いた名機、コンコルドTVT92です。

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後にTVT社は、TIMEに吸収されて消滅しますが、その伝統と技術力は、TIMEのハイクオリティーなカーボンフレームに、今もなお、息づいているのです。

※大河ドラマのエンディングで流れる、ドラマゆかりの地を紹介する映像のナレーション風に……(*^-^)













1990年大会。



前半戦は紆余曲折ありましたが、後半からはレモンが王者の走りでツール連覇、3回目のマイヨ・ジョーヌ戴冠。



1989年大会で強烈デビューを飾ったDHバーは、他チームにも普及。

TTバイクのシンボルが、ブルホーンバーからDHバーに移行した感があります。


1990年大会のグレッグ・レモン。

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前年に比べて、DHバーの形状が少し変わっていますね。より効果的なエアロフォームをとるためでしょうか。

DHバーの上にちょこんと着いているのは、リアのギアシフターです。

デュアルコントロールレバーの登場前夜とも言える当時、ダウンチューブにあったシフターの位置を手の近くに持ってくることで、変速効率・空力効果を高める狙いがあったようです。

この年のレモンはアルカンシェルを纏ってツールに参戦してました。


Zチームのウェア×アルカンシェル。
カッコ良すぎるレモンの勇姿‼‼



この年のツール前半戦の主役はクラウディオ・キアプッチ。最終成績は総合2位。

イタリアチャンピオンでジロ制覇のジャンニ・ブーニョがステージ2勝。総合7位。

アルプス山岳ステージを強烈な登坂力でレモンに競り勝ち、本格的に頭角を表したミゲール・インデュライン。総合10位。


1990年大会は、90年代前半のツール・ド・フランスを牽引する主役たちが、勝負の舞台に駆けあがった大会でもありました。




次回は(いつになるか不明ですが)、いよいよ、私がロードレースの世界に初めて触れた、

とっっっても大事で、とっっっても思い出深い、

"太陽王"インデュラインの時代へと入っていきます‼‼

(≧∇≦)b