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『我らが少女A』髙村薫著
 
新聞連載小説の単行本化です。

「小説や映画で、名探偵が得々として真犯人はおまえだと言い放つのとは違って、本ものの事件が暴く事実の一つひとつ、現実の一つひとつが自分たち身近な人間の皮膚を剥ぎ、臓腑をえぐる。何か新しい事実が分かっても、少しも嬉しくない。真相など分からないほうがいい。(p522-3)」
 
著者の緻密な取材と洞察力、そして情景描写力は読んでいて感心することしきりです。