
床の間の掛け軸は、狭い部屋の空間の中で、宗教的・精神的な生きる上での教えや、自然の四季の美しさ等を表現します。
それは、亭主(主人)が、招き入れたお客に主眼を置いた接待なのです。
和室に床の間と言うスタイルの中で、仏教の普及も含め、花鳥風月の水墨画の発展や、お茶の文化の発展と共に、今日まで受け継がれてきたのです。
最近は、住宅に和室がなくなり、洋風の応接間が設けられていることを残念に思うことがあります。
応接セットより、座卓に座布団が良いですね。
ところで、書の掛け軸を見て
「これ何と読むのですか?」
って尋ねられることがあります。
しかし、昔から、
「昔から、『書は見るもの、絵は読むもの』
と言って、書は、文字の意味より、その筆使いをそのまま造形としてみるものなのです。
絵は、背後にある物語を知り、作者の意図をを知ろうと、あたかも物語を読むように名画を読み解くものなのですよ」
と言って、煙に巻くことにしています。
現代こそ、先人の言葉や文化に触れる事が大切になってきている様に思います。