
「さるべき業縁のもよおせば、いかなるふるまいもすべし」(歎異抄)
終戦の年、5~6月にかけて、九州大学で行われた生体解剖、相川事件をモチーフにしたものです。
この事件は、B29 爆撃機の米軍捕虜数名を、当時多かった結核患者治療データを集めるために生体解剖したというものです。
1,人間は血をどれぐらい抜いたら死ぬのか。
3,肺の切除は、どれほどで死に至るのか。
軍の命令により行われたものですが、関与者達は後日、死刑・終身刑・重刑等の友罪判決を受けています。
遠藤は、戦争中という異常事態で起きた事件とは捉えず、今日日常的に起こりうる事、人間が持っている可能性を言っているのです。
私は間違いを犯さないでいられることは、たまたまそんな縁がなかったからに過ぎないのです。
もし縁が整えば、何をしでかすか分からないのです。
自分も何をしでかすか分からないという想像力と自省がとても大事なのではないでしょうか。