立春を過ぎて、朝の零下は腹立たしくさえ思えます。
 
滋賀県長浜市で行われている「盆梅展」に行った友人の話によると、館内は、日に日に開花し、会場の中は梅の香りでいっぱいだったそうです。
 
しかし、我が家の庭の梅は、かたくなに蕾を膨らまそうとはしていません。
 
詩題の1つに「浴梅」という言葉があるそうです。
 
春の開花を待ちきれず、まだ蕾の枝を折って持ち帰り、お湯を入れた花瓶に挿し、無理矢理にも花を咲かせようとする、一種の風流です。
 
「出(い)でて寒梅を折り、帰って之れを浴す。暗香未だ度(わた)らず、春の遅きを覚ゆ」。
 
これは、五山文芸の大家、横川景三の「浴梅」詩です。
 
「寒梅を折って持ち帰り、湯の中に入れてみたが、花は咲かずに香りもしない、春の訪れは何と遅いものか」
 
という意味です。
 
決して咲かないでしょうが、それほど春が待ち遠しいって気持ちは分かりますね。