朝日新聞社が、「メディアのジェンダー表現のここがおかしい」というアンケートを行いました。
そこで指摘されたことをいくつか紹介します。(略しています)
「グルメやアイテムを紹介する番組で、『女性はこういうの好きですよね』『女子にはたまらない』といった、嗜好(しこう)を性別で限定する発言がある。
それに当てはまらない『女性』や、あてはまる『男性』を『異端』と見なすように感じてならない」
「若く美しい女性の容姿を強調した広告や、『女の子向けだからピンク』という様なことに違和感を覚える」
「『男子あるある』や『女子あるある』のつもりで描いているシーンは、そのことを再生産して社会に刷り込むことにつながっていると思う」
「自治体のPRで女性の性的特徴を強調した表現が多く使われているのがとても不愉快です」
「『ブス』などの表現がバラエティーや笑いのネタになること自体が女性蔑視であるにもかかわらず、それを良しとしている風潮が理解できない」
「女性ならではの観点、見方といった表現に違和感がある。それが個性だと思います。それを女性だから、という理由で回収してしまうのは安易ではないか」
これらに対しての意見があります。
「性別にまつわる処遇に違和感をもっている女性たちがこれまで以上にメディアでの表現に敏感になった」
「『私作る人、僕食べる人』の何が悪い。日本人はかくあるべき、と言う意見を表明することは悪だというのなら、日本は思想統制のある国だったということなのか」
「寝ている旦那さんの耳元に、奥さんがひどいことを言う殺虫剤のCMや、男は臭いと普通に言い放つ消臭スプレーのCMなど、女尊男卑な昨今の風潮に不安を覚えます」
「女性の立場からすると議論が起こること自体が前進だと思います」
そして最後に、
「価値観は人によって異なります。固定観念に基づく記事や想像力を欠いた表現などによって、『この役割はこの性別のもの』などと押しつけるようになることは避けなければいけない」
と締めくくられております。
戦後の民主化の中で、日本人の価値観は大きく変わりました。
「女のくせに」「男だから」と固定概念でものをいうことは出来ません。
しかし、指摘すること、指摘されることを通して、お互い認め合える「性差」でなければならないように思います。