近頃、政治家が言い訳をする場面が多く見受けられます。
 
「詭弁を弄す(きべんをろうす)」って言葉があります。
 
本来は間違っていることを、色々と理屈を付けて正しいかのように思わせるような主張をすることです。
 
江戸初期の僧侶で、落語の祖とされる安楽庵策伝(あんらくあんさくでん)という人がいました。
 
ウナギが大好きな坊さんがおりました。
 
ある日、ウナギをまな板に載せ調理しようとすると、そこに檀家が現れます。
 
坊主は顔色も変えず、
 
「昔から山の芋がウナギになると申すが、でたらめと思いきや、いま芋を食おうとしたら見る見る間にウナギになってしもうた」
 
言いました。
 
僧侶が、酒のことを「般若湯」、エビを「緋の衣」、アワビを「伏せ鉦」と呼ぶのも弁明ですね。
 
猪の肉を「牡丹」、鹿の肉は「紅葉」、馬の肉は「桜」、鶏肉は「かしわ」などと言うのは、獣肉食が禁忌だった江戸時代に花の名前にごまかして提供していたからです。
 
知り合いの禅僧は、鮪のトロを「脂気の多い人参ですわ」と言って食べておりました。
 
安楽庵策伝さんは、笑いで誤魔化すことで大らかさを教えたのでしょうが、政治家の方々はちょっと笑えませんねぇ。