
「騎士団長殺し」村上春樹著を読みました。
発売日に買っていたのですがバタバタしていて、中々読めませんでした。
ハルキストを自称しているのに、らしくないですね。
イデア、メタファーをモチーフとしての表現等、ハルキ・ムラカミらしさ満載の作品でした。
句読点の打ち方が繊細で大変読みやすいものでした。
少し気になったのが、
「私は単に幸運だったかもしれない。それともそのように事が運ぶようにあらかじめ決定されていたのかもしれない」
「おまえが行動すれば、関連性がそれに合わせて生まれていく」
という文章でした。
最近特に気になっていることなのですが、日本人の思考が、東洋文化と西洋文化のごちゃ混ぜ状態になっているようです。
キリスト教的運命論は、神が全てを創造したのであるから、自身は知るよしもないが、あらかじめ決められた道を歩んでいるとするものです。
仏教的因果論は、今の行動が次の瞬間を決め、連綿として継続していくというものです。
この小説に於いても、2つの相反する考え方が同一人物上で語られていることに違和感を感ぜずにはおれませんでした。