
第156回芥川賞受賞作「しんせかい」山下澄人著を読むために『文藝春秋』を買いました。
しかし、先に目がついたのが、「安楽死は是か非か」の特集記事でした。
これは、先の12月号での橋田壽賀子の論考「私は安楽死で逝きたい」を受けて、著名人に行ったアンケート結果です。
大いに気になったのは、安楽死、尊厳死に反対の意思を示した人があまりにも少なかったことでした。
(安楽死と尊厳死の違い定義はなされています)
《賛成意見》
「自己責任として、自分の死については自分で決めるのが自然な流れだと思います。
自分自身が死について判断できる間にこれを遺言しておくことが大事だと考えます。
薬や機械で、ただ、生かされている、というのは何よりも苦痛だと思います」(杉良太郎)
《反対意見》
「生まれる時も生まれ方も選べないのに、死に時と死に方を選ぶのは人間の傲慢。
『生きるに値しない生命』を選別する根拠にもなる」(上野千鶴子)
「死は本人だけのものではなく、遺された人のものでもある。
本人は『積極的な死』に満たされても、遺された人はその『自死』が一生頭から離れないだろう」(内舘牧子)
賛成反対双方の代表的な意見です。
自分の命を、「自分だけのもの」と捉えているか、自分も含めた「みんなのもの」と捉えているかの違いのようですね。
「絆」「縁」「支え合い」という言葉が思われてなりません。