
一昨日、時間潰しで立ち寄った本屋で『文藝春秋9月号』(バックナンバー)を買いました。
今年の芥川賞作品「コンビニ人間」(村田沙耶香著)が載っています。
単行本は1400円ですが、950円で他も読めて大変お得感があります。
作品には、予てから気にかかっていた独特のコンビニ言葉を使うことの意味付けがされてあります。
それは、その社会への同化・帰属意識が安心感となるということです。
しかし、外の世界への同化は難しいのです。
それが、「空気を読め」という言葉に表されているのでしょう。
文体もなめらかで、一気読みしてしまいました。
そして『文藝春秋9月号』には、今話題の「天皇生前退位」について特集がされていました。
こちらも面白いですね。
天皇は、法的に終身の業務の実践者たることが義務づけられています。
その業務とは、「日本国の象徴」「国民統合の象徴」なのです。
「原発は人間の愚かさの象徴」
「富士山は日本の象徴」
「鶴亀は長寿の象徴」
「鳩は平和の象徴」
などと、象徴という言葉は、抽象的非感覚的な物を指します。
その鳩を代替えしようというのです。
本来、そんな物に人間がなりうるのかということも論じなければなりません。
この本により、天皇制自体を考えさせられます。