
『ツバキ文具店』小川糸著(幻冬舎)をゆっくり読んでいます。
代書を請け負う鎌倉の文具店主鳩子の日々が書かれています。
何でもメールで済ませてしまう昨今、わざわざ手紙を書くことで伝わるものがあります。
読んでて、誰かに手紙を書きたくなってきます。
主人公の優しさに加え、著者の表現の豊かさにも引かれてしまいます。
例えば、
「眠いのは暑さを乗り切る防衛本能か」
サイダーを飲んで「冷たい泡が口の中で小魚のようにぴちぴち跳ねた」
「空は、涙が出そうなほど快晴だ」
「海の方から風が流れてくる。前髪がワルツを踊った」
「海の方から風が流れてくる。前髪がワルツを踊った」
等々、一気読みをするのが、誠に惜しい本に出合いました。