
『わが心のジェニファー』(浅田次郎著)を読みました。
アメリカの父親なら誰もが、
「決して振り返るな。前へ進め」
と教えられるのに、父を知らない彼は祖父に、
「ブリッジに経っていても、船がまっすぐ進んでいるか分からない。常に航跡を振り返れ」
祖父に言い聞かされ大きくなった。
そんな彼が、恋人に勧められ日本を観にやって来たという設定の小説です。
各地で日本文化に触れ、驚きと感動、そして翻弄される模様が描かれています。
そして、彼の持つアメリカ人としての思考ギャップが何故であったのかという謎が最後に明かされるのです。
この本に描かれた日本人論は、浅田次郎が日本はかくあるのだと、読者に日本の再認識を即しているようです。